第245話 法衣貴族

ゴーチャンの謝罪と説明がいったん終わったころを見計らってか、官僚のような男性2人が部屋に入ってくる。


「まずこちらはお返しします。Aランク魔物ハイオークキングと確認できました。ダンジョンコアのご提出は結構です」

「また、ハリー様、リリー様、カーヤ様へのご褒美になります」

と、魔石と思われるものと、金貨20枚ずつ入った袋を3つ差し出してくる

「続けて、今回の叙爵についてご説明させて頂きます」

ともう1人が説明してくる。


叙爵は爵位を下されること。

騎士爵の名誉と表現されたように、領地持ちではない法衣貴族になる。法衣貴族は貴族の名誉と、毎年国から年金を貰える権利がある。王城で働く法衣貴族は役に就いているので役職手当を別に貰っている。今回のように冒険者が名誉のために叙爵された場合には一代限りが多いのだが、国王が言及しなかったので例え言い漏れであっても子孫に引き継げるものと処理する。

このコルマノン王国には、王族の親戚の公爵以外に、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵と貴族が色々あるが、準男爵より下は準貴族である。子爵以下は伯爵以上の寄親に対する寄子になる義務がある。寄親の騎士団に入るのは義務ではなく、冒険者の法衣貴族の場合は入らないのが普通。

法衣騎士爵の年金は毎年金貨10枚。金貨1枚は銀貨100枚であり、普通の職人日当が半銀貨~1銀貨であることを踏まえると、2人ほどの従者などを雇用して最低限の体面確保する金額なのであろう。確かに最近のサラたちの収入を踏まえると高い額では無いが、国に何の貢献をしていなくても貰い続けられるのはすごい制度と思われた。



「最後に、寄親と家名と紋章は3日以内に届けてください。後者2つは重複有無など受理確認結果を、3日以内にお返事します」

と宿題を告げてから、官僚2人は部屋を出て行った。


「伯爵様からは寄親になって良いと事前に言われている。叙爵もありえると想定されていたので」

とゴーチャンは告げてくる。

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