第244話 国王リチャード

なぜか謁見室に案内され、しかも国王から王冠は献上したと言われ戸惑っている4人。


別の方向から

「面を上げよ」

と違う人物の声がするので、跪いたまま顔をあげる。正面に国王、その右手前に宰相のような男性がいるので、この人の声かと考える。


「若き冒険者たちよ、一番活躍した者は誰か?」

と国王が言うので、自然とサラ以外の3人がサラを見る。

「では少女よ、そなたに騎士爵の名誉を与える。他の3人にも別の褒美を与える。大儀であった」

本当は「ありがたき幸せ」等というのであろうが、あっけにとられて頭を下げることしかできない4人。見かねてか

「下がってよい」

と先程と同じ声で、やはり宰相のような男性が発言し、ゴーチャンに促されて謁見室から出る。



まだ声を出せない4人とゴーチャンに対して、官僚のような男性が別室に案内し、着席させる。しばらくしてようやく声がでるようになると

「ルメジョン様、どういうことですか?」

「王冠は献上なんですか?」

「いや、それよりも騎士爵って何ですか?」

「ハイオークキングの魔石は返ってくるのですか?」

と気になったことをゴーチャンにまくし立てる。

「すまなかった。順番に説明すると、伯爵の指示で王冠は献上になった。王族以外が王冠を持つなど不遜とされるのでな。魔石は王城の官僚が確認後にちゃんと返却される。ダンジョンコアは後で返す。このダンジョンコア2つも官僚が確認したいというかもしれないと思って預かっているだけだ。叙爵(じょしゃく)についてはまぁあるかもと思っていたが、王冠が後押ししたのであろう。謁見については装いも含めて事前に説明すべきであった。すまなかった」

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