第50話 魔の森
魔物からの防衛のため、領都より非常に外壁が高い街ゲレに着く。商隊と一緒であり荷物検査などで門にはかなり並んだ上で街内に入り、入ったところで商人に依頼達成の証を貰った上で別れる。
街の冒険者ギルド窓口で護衛依頼達成と魔狼の襲撃を報告するも、やはり異常状態であるとのこと。討伐依頼もたくさん出ており、魔の森から魔物が多く出てきている模様である。
宿泊費用もかかるので、一晩だけ街で休憩したら、翌日から魔の森へ狩りに行くことにする。ハリーだけはもともと野営道具を持っていなく、護衛任務でも商隊側が用意したので、この街で購入した。水筒も≪水生成≫ができるサラが居ないので念入りに大きめにする。
翌朝から、いよいよ魔の森での狩りの開始である。日ごろでも領都付近より多くの魔物が生息する地域として知られている上に、今が異常事態であるとのことから、慎重に森を進んでいく。領都付近では生息していなかったゴブリンやオークなど知恵のある魔物も居ることから、罠や遠隔攻撃などにも警戒する。
ハリーの属するパーティーには狩人でもある弓士が居ることから、彼が罠や気配の察知を主に担っている。サラよりも高い察知能力であることをハリーは実感する。
午前だけで魔狼3匹、ゴブリン5匹、オーク1匹と連続して遭遇して戦闘することになった。いつもの領都での日帰りの狩りでは、基本的に死体の全てを持ち帰ったが、ここでは魔物遭遇も多いことと野営して狩り続けることから、単価の高い魔石、討伐証明部位や主要な素材だけを持ち帰るということも学んだ。また、日帰りではないため食事も弁当ではなく現地調達である魔物の肉が主食になるが、胡椒などは高価であるため塩味程度になった。実家の宿屋の美味しい食事になれていたハリーには落差の激しいものであった。
今回のパーティーには不慣れなハリーが参加しているため、野営は2泊3日でいったん街に戻り戦果の売却と消耗品の補充をしながら宿で1泊、それからまた野営という短い周期を繰り返すことにした。
ハリーにとっては特訓のこの狩りで、片手剣の2連続攻撃である中級武技≪連撃≫を覚えるなど、片手剣と盾の習熟度合いをますます向上させることとなった。
先輩冒険者たちの剣や弓の上手さなどを学びつつも、魔法使いの少ない世界で冒険者として回復魔法などが使えるサラのありがたみをあらためて感じるハリーであった。
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