第576話 女性神官願い2
代官には宰相からの話もすべて伝えた上で、アッズーラに冒険者サラとして受けるので、冒険者ギルドに依頼を出すように話をする。
アッズーラは喜ぶが、陸路では時間がかかるので船で帝国に行きたいと言う。
コルマノン王国の海軍や商船では戦闘力に不安なこともあり受けて貰えないので、アルテーラ王国かアルメルス神国の商船を探す。流石に他国の軍船は理屈が難しいのと、コルマノン王国の港町ではそう見かけるものではない。そしてアルテーラ王国の商船でも、要求された船賃がアッズーラに確認すると払える額では無いとのこと。もちろんサラには払える額ではあるが、冒険者への依頼であり依頼主が最終的に負担できる額である必要がある。
結局、アルメルス神国の商船が至高教団へのお布施という扱いで、アッズーラ一行からは船賃を取らないで乗せてくれることになった。
ただ、あくまでも商船であり荷物を運ぶのが主であるのに、アッズーラ主従の神官2人とサラたち6人が乗り込んだので、十分な広さの客室を与えられたわけではない。
商品を多く運ぶために積載量をあげるように、ガレー船のようなオールをこぐ奴隷のスペースなどは無く、基本は帆に受けた風力で進むため、奴隷の便の垂れ流しなどによる臭さが無いのが救いではあった。
港町ラブリニーを出発して2日ほどで、南東の岬の先端、そのまま南に行くとアルメルス神国の最寄りの港まで3日程度の場所にたどり着く。ただ今回は南ではなく、東のレーベルク帝国に向かう予定である。
「前回は、この岬の辺りで襲撃を受けたのです」
「そうそう何度も同じ場所で襲撃することも無いだろうなぁ」
とアッズーラの発言にハリーがつぶやく。
そういう会話をしていた夜、客として船室で休んでいたサラたちは突然の衝撃で起こされる。
「海賊だー!」
と叫ぶ声が聞こえる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます