第993話 ダンジョン作成
帝国から帰ってきてようやく落ち着いたところで、サラ達は侯爵領の北部、魔の森の奥地に新設したハーランクのダンジョンに来ている。
「サラ嬢、良くお越し頂きました」
「新しい場所には慣れた?まだまだ殺風景だけど」
「ま、私はこの研究室のようなものがあるだけで良いのですけれど。前のところから最低限必要なものは引越させて貰いましたし」
「ハーランク様のための拠点として、これではまだまだです。せめて以前のようなお城が出来上がらないことには」
始祖ハーランクの両脇に、帝国の森ダンジョンの城でサラと対峙した女性ヴァンパイアの2人が控えている。
「私は、君たち2人を返して貰えただけで十分なんだがな」
「「ハーランク様!」」
ハーランクの要望に従い、あの時に倒したヴァンパイア2人の魔石を提供するとハーランクが復活させていた。ストラデルは魔石の魔力を欲しがっていたが諦めて貰って、別の魔物の魔石をあげることを約束させられていた。
まぁサラ達にしても、サラの従魔になったハーランクに助手が居た方が便利であろうとの思いでもある。別のダンジョンにいた口の軽い男レッサーヴァンパイア達の魔石は既に無かったので復活できていなかったが、あの男は復活しなくても良かったと思われる。
「で、今日はどこにどのようなダンジョンを作るかのご指示ですかな?」
「そう、冒険者ギルド達とも相談してきたわ」
ドラセム侯爵領の北部は魔の森であり、その最奥に作ったハーランク達のダンジョン以外にもいくつかのダンジョンがある。
それ以外の領地においても魔物が生息する領域があるので、そこで魔素が過剰に集まることでの魔物氾濫(スタンピード)回避、そして冒険者や兵士の育成のための新規のダンジョン設置を、侯爵領の地図を見ながら決定する。
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