第709話 密航船襲撃3
新たに奴隷にした、裏部隊の隊長や密航船の船長などを宰相や官僚のもとに連れ出して尋問するも、特に目新しい追加情報は無かった。
「神聖騎士団を奴隷にした者を王家が引き取ると、外交的に面倒になる可能性があるので、彼らはドラセム伯爵が引き取るように。密航船とその船員も合わせて引き取り、ガーライト王国への渡海に使用するが良い」
予定通り、コルマノン王国としてのアルメルス神国への糾弾の使節とは別に、サラたちはアルメルス神国と敵対しているガーライト王国へ冒険者として渡海し、そこから隣国アルメルス神国に冒険者として乗り込むように再度指示をされる。
≪転移≫の魔法があるため、いつものようにサラと少数メンバで渡海してから、追加メンバを送り込む基本方針とする。
その、コルマノン王国などがあるユノワ大陸から、アルメルス神国やガーライト王国があるコリサ大陸への渡海は、密航船のみでは心もとない。王領である港町ラブリニーからアルメルス神国へは数日で到着できるが、サラたちは海賊国家ガーライト王国経由を指示されているため、下手なことをすると海賊の獲物にされて海の藻屑となりえる。
「王国として、ドラセム伯爵が鹵獲したガレー船を貸し出すわけに行かないが、1つアドバイスをしておこう。そなたが懇意にしているミケラルド商会は、大陸間を往復できる商船を仕込んでいるようである。その護衛をするのはどうか」
宰相のアドバイスに従い、コリサ大陸への勢力拡大を狙うミケラルド商会の商船の護衛として、その商船と密航船とに分かれて乗船して渡海することになった。
神聖騎士団の裏部隊の8人は、長距離移動の中で顔を知る者に見とがめられる可能性を考慮し、王都に残して属性魔法などサラたちの魔法訓練方法で基礎力をあげさせることにする。
そのため、ミケラルド商会の者以外では、いつものサラの冒険パーティー6人と、≪飛翔≫ができるトリストフたち数人、密航船の乗務員であった10人がガーライト王国への渡航メンバとなった。
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