第396話 レーベルク帝国戦

午後になり、いよいよレーベルク帝国との試合がやってくる。


帝国の先鋒は、アルテーラ王国の5人すべてに勝ち抜いており、帝国の他の4人の実力は不明なままである。また先鋒も上級魔法の≪氷槍≫や≪火槍≫以外を温存していた可能性もある。


サラは、アルテーラ王国のときと同様に後ろが居なく背水の陣であるため、相手の手札を出す前に勝ち切る作戦を継続することにする。


そして先鋒戦。

「では、はじめ!」

との合図のもと、サラは≪強風≫で相手をふらつかせるのとほぼ同時に、今度は≪炎壁≫3つを同時発動して相手選手を閉じ込め≪衝撃波≫を放ち、≪炎壁≫にて火傷をさせた上に≪魔力矢≫を準備しようとしたところで、

「試合終了!サラ選手の勝利」

と止められる。

サラは集中していて、もう会場の非難の声も聞こえなくなっている。

午前の帝国とアルテーラ王国の試合のときのように、けが人にはすぐに治療班が駆け付けて回復魔法をかけているのをみて、サラは一安心する。


続いて次鋒戦。

相手は≪強風≫を警戒して足を踏ん張っているので、

「では、はじめ!」

との合図のもと、サラは≪光爆≫で目くらましを行うのとほぼ同時に、先ほどと同様に≪炎壁≫と≪衝撃波≫の組み合わせで勝ちを得る。


次は中堅戦。

今度の相手は開始とともに駆け出す様子を見せているので、

「では、はじめ!」

との合図のもと、サラは≪夜霧≫で相手を暗い霧の中に閉じ込めるのとほぼ同時に、駆け出した移動範囲を想定して分だけ先ほどよりは少し広めの≪炎壁≫に閉じ込め、≪衝撃波≫と組み合わせて勝利宣言を得る。

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