第699話 神国の恨み
開拓に勤しんでいたある日、宰相から登城の指示が来る。
「アルメルス神国が何かたくらんでいるという情報がある。恨みを買っているドラセム伯爵は気を付けるように」
「え!?恨みですか?」
「コルマノン王国に来た使節団も対決にていなしたり、レーベルク帝国に行った使節団に対しても先に悪魔教団を倒して回避したり、アルメルス神国が侵略のきっかけにしたかったのをつぶしたのはドラセム伯爵であるよな。さらに、アルメルス神国の使節団にいた神霊魔法の使い手の姉妹、アッズーラ、チェッリーナも神国には帰国せず、ドラセム伯爵を追いかけてこの王都に在留、実質の亡命となっている」
「それはそうですが」
「また、その悪魔教団の魔法使い達も、帝国だけでなくドラセム伯爵の従士団に吸収されている。特に悪魔召喚できる魔法使いはそなたのところであろう?ターゲットにするにはうってつけであろうな」
「・・・」
時を同じくして、その話に出てきたアッズーラ姉妹がサラを訪れてくる。
「サラ様を狙う神国からの刺客が来るかもしれません」
「刺客?」
「神国の神聖騎士団には、裏の仕事をする裏部隊があります。神国の敵になるような相手を暗殺したり、至高教団の教えに反すると見なされた者を抹殺したりするためであり、騎士団の中でも特に個人戦闘力に優れた者が選ばれるらしいのですが、誰が選ばれているかも内緒らしいです」
「どうしてご存じなのですか?」
「神国から帰国しないかの打診と、サラ様の情報入手のためと思われる使者が、私たちのところに来ました。もちろん帰国をしない旨と、サラ様の情報を提供はできない旨を明確に伝えたところ、去って行きました。それが、私たちが買い物に行った際に、わき道から声をかけられてのやり取りで、姿をきちんと現さなかったことから、裏部隊の噂を思い出したのです」
サラは家臣団、厳密にはリリーたちは違うが他者からはそう見られるであろうメンバを集めて、その情報を共有する。特にサラや幹部とみなされる者たちは1人での行動は控えることになった。
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