第564話 模擬戦
「ほう、興味深いですな。噂になっている魔女のことでしょうか。ぜひご紹介いただきたいですな」
「あのほぼ左端の白馬に乗った濃青ローブの者です」
と、騎士団の隊長クラスの者がしゃしゃり出る。おそらく今回、サラに嫌がらせをはかったが、逆に左の方の弱小伯爵たちの中では目立ってしまう規模の数を揃えたことで失敗したと思っている者であろう。
「やめぬか。部下が失礼しました」
と、部下のつまらない思惑などお見通しの団長がフォローするが、神国カプラーノは使節団の目的のためにありがたく乗っかる。
「なるほど。あの周辺では際立つ部隊ですね。馬も周りに比べてなかなか精強そうですし、あれはロック鳥やワイバーンの子供でしょうかね。ぜひお話を」
とまで言われてしまうと、明確に拒否する理由も無いため、宰相はサラを呼ぶことにする。
呼ばれたサラも1人で行くものでないと理解し、ハリーにはワイバーンたちがついてくると面倒なのでティアーヌと2人で前に出て行く。
「ほう、美女エルフを従えた美少女ですか。なかなか絵になりますな」
という使節団長カプラーノ。返し方が分からないため、笑顔にだけするサラ。
「こちらが、帝国戦でも活躍したドラセム伯爵です」
「ドラセム伯爵、こちらはアルメルス神国の使節団の方々でカプラーノ団長だ」
「サラ・ドラセムです。どうぞよろしくお願いいたします」
と頭を下げるが、なぜ呼ばれたかの説明がされないので、不安になる。謁見の間での悪魔騒ぎも気になる。今は魔剣ストラデルを≪収納≫指輪に入れてある。
「元冒険者で、帝国戦で活躍された魔女とのことですが、異教の力を使っているのではないのですかな?」
「繰り返しですが、コルマノン王国内ではデメテル様以外の神の力も認めておりますから、そこはお間違えの無いよう」
と宰相がフォローを入れる。
「異教の力とは何を指すのか分かりませんが、精霊たちの力も多く使いました」
とサラは答える。
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