第125話 悪魔教団

外の怪しい気配を感じ、出口の手前で留まっていると声がしてくる。

「よく来たな、盗人たちよ。その償いは命を持って行え」

と真っ黒なローブの5人が現れる。


「どういうことだ?」

とレオンが問うと

「ここは、我々の教団の神聖な祭壇のある場所。以前にもこの神聖な遺跡に入った盗人が居たが、5年前にその償いをさせた」

という。

その意味、ローラ殺害の犯人宣言、を理解した皆は怒りに我を忘れる。


レオン、ダン、ジンが弓を持って飛び出すより早く、エミリーが瞬時に黒ローブ5人それぞれに≪氷槍≫で攻撃する。発言をしていたリーダーと思われる1人だけは辛くも回避し、怪我を負いながらよろけ歩く。

さらにエミリーがその1人の首から下を≪氷結≫で拘束する。


他のメンバはあっけにとられながら他4人の死亡を確認し、残る一人を取り囲む。


サラは魔剣ストラデルに先程の話を確認すると、

『先も話したように、最近に我を見つけたのはそなたの母。あやつらのことは知らない。きっと我が祭壇の主であったことも知らぬのであろう。後からあの遺跡を発見し、壁面の魔術語を読みかじった≪呪詛≫を用いたのであろう』

というので、わざと短剣を目に付くように見せても黒ローブからは反応が無い。

サラはエミリーたちにストラデルの話を共有する。


エミリーは黒ローブに5年前の実行犯を確認すると、この5人ではないとのことであった。また教団の名前も実行犯も絶対に漏らさないと叫ぶ黒ローブ。

「衛兵も近くに居るわけでないし事後報告にしよう。サラ、魔剣を貸して。魔剣でとどめをさせば、こいつらも本望であろう」

というエミリーに魔剣を渡すと、魔剣でとどめをさし、残り4人も含めて吸血していく。

『悪魔と実際には関係ない、こういう悪魔教団ってのが居るのだな。迷惑な』

という悪魔ストラデルのつぶやきは聞き流しておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る