第267話 魔道具屋めぐり

王都に来てしばらく経ち落ち着いてきたサラたち4人。野営ではなく在宅していてハリーが料理するときには、隣人でもあるカーラも一緒に食事することが何度目かになったある日、カーラから

「明日時間があるならば、前に言っていた王都の魔道具屋めぐり、案内してあげようか」

との話があった。


もちろんカーラの店も魔道具屋であり、色々なものが置いてあるが、カーラが魔道具好きというのもあり幅広くの品揃えであっても、癖があるものや高級品も多い。王都には多くの魔道具屋がありそれぞれ品揃えも違うので、一度じっくり見てまわりたかった。

特にサラが魔導書に興味を持っていたが、他3人もそれぞれ魔道具を使っていて便利さを認識しているので、経済的に少し余力も出てきた今、魔道具屋めぐりはありがたい誘いであった。案内人が、魔道具を好き過ぎるところはあっても、王都の魔道具屋の1人であり鑑定能力もあるカーラであるからなおさらである。


門前払いされかねない富裕街にある超高級店は避けて、一般街にある店舗に行くことになった。

そのため、富裕層が使うような灯り台やコンロなどの生活を便利にする魔道具より、冒険者が戦闘や探索に使用する物が主になる。魔剣など武具を主に扱う魔道具屋、魔剣も扱う武具屋が一番数も多く、魔導書も扱う魔道具屋や本屋は数が少ない。

さらに、錬金術師などでもあり恒久的な付与魔法を扱える魔道具屋は非常に限られていた。ダンジョン都市ワチエは冒険者ばかりで成り立つ場所という特殊性もあり、付与もできる魔道具屋があったが、通常の街にはまず存在しなく、王都のような巨大な都市でも数は多くないとのことである。カーラの店もその1つなわけであるが。


やはりハリーは片手剣と盾、リリーは弓と槍、カーヤは両手斧という日ごろ使う武器の魔道具が一番気になる。ハリーは炎の魔剣、リリーは氷の槍などを持っているが、今後は相手の属性に合わせて、今とは違う属性の武器を持つことも考えている。収納量が多い魔法の袋を持っているからの発想ではあるが。

サラは魔法がメインであり、悪魔ストラデルの短剣もあるため武器よりは、新たな魔法習得のための魔導書である。

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