第268話 魔道具屋めぐり2

ハリーたちが主に探す武器はいくつか見つかるが、特にハリーとリリーは既にメイン武器の魔道具を所持しているため、費用対効果を考えるとなかなか購入にまで踏ん切りがつかなかった。例えばハリーが探す水属性の魔剣は、単に水属性にするだけならばまだ安めであるが、ちゃんと追加ダメージもある氷の魔剣になると簡単に買える額ではない。

一方、カーヤは一番メインの両手斧が通常武器、しかも中級品であったので、≪炎≫のバトルアックスを購入することにした。サラが一緒のときは≪炎付与≫魔法を期待できたが、サラが学校に行っている間の午前中などでは通常武器で戦うことになるのもあるからである。ただ、当然かなりな額であり、両親に貰った手形のお金もつぎ込むことになり、財布がかなり軽くなってしまった。ますます店舗運営を考えようと思うカーヤであった。


サラは、水精霊シルビーと悪魔ストラデルと天使マルカルロに教えて貰えない魔法の魔導書を探す。

属性魔法は師匠エミリーにまだ教えて貰える余地があるのと、冒険者ギルド魔術師委員会でもある程度は学べるため、付与魔法、暫定だけでなくできれば恒久的な付与や、鑑定魔法、契約魔法が欲しいが、以前に魔道具屋からは弟子入りして覚えるものだと言われていた。他にも、使用者制限、時間停止など、魔道具で貴重な機能になる付与魔法にも興味があったが、一般店舗にあると思えない。

たまたま暫定的な≪炎付与≫だけは以前に魔導書を購入することができていたが。

今回も同様のことばかり各店舗で言われるが、暫定的な≪氷付与≫を見つけることができたので購入しておく。


面白いものとして、空間魔法の≪収納≫に似た魔法なのか、異空間につなげて取り出すことができないもの、つまりゴミ箱として非常に重宝する魔法の袋を見つけた。生物を入れると簡単な討伐や暗殺に使えそうであるが、≪拡張≫≪収納≫と同様に生物は入れられないとのことであった。日常生活でも生産活動でも冒険でも使えそうであり、サラが購入してしまった。買わないならば、カーラが欲しいと狙ってきたのもあっての勢いでもある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る