第265話 坑道ダンジョン2

坑道ダンジョン内で1泊した翌日の昼ごろ、冒険者ギルドで購入した地図に無いエリアに突入することになった。購入した地図を作製した冒険者はここで引き返したということであろう。


それまで以上に周辺を警戒しながら進むと、風魔法で隠し通路を発見した。ツルハシで壁を崩してみると奥にはハイオーク5匹が隠れていたので片付けると、その奥には採掘可能な場所があるとカーヤが言う。その通り、ハリーとカーヤがツルハシで掘ると、銀鉱石がある程度入手できた。


元の通路に戻りしばらく進むとハイオークファイター3匹と遭遇した。これが先輩冒険者の引き返した理由かと思いながら、殲滅する。この辺りになってくると通路でもときどき採掘可能場所があり鉄鉱石がそれぞれ採掘できた。

それからもハイオークファイター数匹に遭遇しながら鉄鉱石を採掘し続け、行き止まりの通路で2泊目をする。


翌朝もう少し進むと採掘村で行き止まりになった。ワチエダンジョンでは採掘村はボス部屋であり魔物が多くいるエリアであったが、このダンジョンでは数匹のハイオークファイターのみであり、ある程度容易に殲滅できた。

その後、村の中を探し回っても宝箱などは無かったが、カーヤが言うにはある鍛冶屋っぽい建物の中にあった大きな炉などの大鍛冶用、小さな炉や金床(かなとこ)などの小鍛冶用それぞれが高級品のようであるとのことであった。


そもそも鍛冶は、鉄鉱石を使いやすい鉄インゴットなどにする製鉄である大鍛冶と、鉄インゴットなどから武器をつくる小鍛冶に分かれるのだが、王都に確保できた店舗兼住宅の設備は小鍛冶用である。サラの実家はドワーフ鍛冶屋でもあるので、大鍛冶と小鍛冶どちらの設備もあった。王都では商業者ギルドの鍛冶委員会で大鍛冶の製鉄をして、店舗兼住宅では小鍛冶の武具造りをする予定であった。


せっかく高級品の大鍛冶用設備があるとのことで、今回のダンジョンで入手した鉱石をインゴットに精製するのをカーヤとハリーが2人掛かりで行った。また、今回の探索では敵の武器、ハリーが武技≪武器折≫で折ったのも含めて鉄素材にするために回収していたが、ついでに溶解して塊にしておく。これらの鍛冶設備が高級品で優れていることが分かったので、持ち帰ることができる小鍛冶用の一式は回収しておく。店舗兼住宅の物と入れ替えるつもりである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る