第264話 坑道ダンジョン

サラたちは、事前に情報収集した王都の近くにある坑道タイプのダンジョンに向かう。

王都から3日ほどの場所であるので、魔の森でもBランク魔物が出現することもある場所であり、採掘の競争相手も少ないと見込んでの選択である。

基本的には鉄鉱石が主であるが、銀鉱石もまれに取れた報告があるとのことであり期待している。


既に何度も魔の森は往復しているが、森自体が広大であり今回のダンジョンはまだ足を延ばしていない方向であった。冒険者ギルドで購入した地図を見ながら、鉱山とみられる山を目指して進む。魔の森でもサラは地図作成をするが、遠くの山や目印に、湖や小川などと、ときどきある岩場など特徴的な物を記録していく。


途中で遭遇するのがゴブリン、ホブゴブリン、オークなど亜人系が多い方向であり、事前情報の通りである。これらを片付けて進んでいくと予定通り3日目に、山のすそ野から線路が出てきてトロッコが転がっている場所にたどり着いた。

先程昼を食べたところであったので、そのままダンジョンに侵入することにする。

隊列はいつものように前から2人ずつのハリー・カーヤ、サラ・リリー、ガンである。


ハリーの盾に≪灯り≫をして線路に沿って進む。

途中で線路が無いままの短い脇道にも入ってみるが、カーヤの目では採掘できるほど鉱石は無さそうとのことである。やはり鉱石が採掘できるところには線路を引いているということであろうか。

線路が引かれた脇道、奥まで行ってはじめて行き止まりの脇道とわかるのであるが、ここではカーヤが少しだけ採掘できるというので、ハリーとカーヤがツルハシで掘ってみる。少しだけ掘って少量の鉄鉱石が取れたが、これでおしまいとカーヤが言うので次の場所に移動する。それを3回ほど繰り返すと

「流石にこれでは効率が悪いから先に進もうぜ」

となる。


はじめに遭遇したのはオークであったが、途中からハイオークに変わり、その頃からある程度の量が採掘できる場所が見つかるようになってきた。通常は鉄鉱石という重いものを運ぶのは大変だからトロッコがあるわけだが、幸いにして魔法の袋に入れると異空間に行くのでかさばらないだけでなく重量も無くなるので助かっている。

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