第488話 間道2
サラは仲間を集めて、水精霊シルビーも≪召喚≫して状況を説明する。
この街道沿いの帝国軍は半数以上を死傷者にしても魔法使いが出てこないことから、囮(おとり)の可能性が高く、龍の棲む山の間道を越えて奇襲しようとしていると推測される。サラと一部だけで辺境に急ぎ駆け付けることにする。
相談の結果、辺境に向かうのはサラ、ハリー、ミーナ、アルベール、リリアナ、ティアーヌの6人、残りはこの街道沿いの防衛を継続する。
トリストフとカロルは≪召喚≫できるようになった水精霊シルビーと火精霊ヨルバで敵兵を攻撃するのと合わせて、サラたちとの伝言連絡も頻繁に取ることにする。
夜が明けて明るくなると共に6人は出発することにする。徒歩で3週間なのでバトルホースの能力で1週間を期待するが、それでも間に合わない可能性を踏まえて、サラとティアーヌが、それぞれリリアナとアルベールを抱え括り付けて≪飛翔≫で直線的に飛ぶ。
ハリーとミーナは一段上級なバトルホースである、ハリーとサラの乗馬であるコンとハンに乗り、一般バトルホースの4頭は騎手を無くすことで上位2頭と並走させる。
少しでも早くサラたち4人たちが到着しつつ、ハリーたちも大差なく到着することを狙う。6人がそれぞれ機密情報である地図を頭に叩き込む。
明るくなり、地図と山の形を比較し方角を再認識した6人はそれぞれの方法で北に向け出発する。
残留組の12人は、トリストフとカロルを中心に、サラたちが不在になったことを少しでも気づかれないように多めの魔法攻撃を行って、国境橋を死守することになった。
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