第122話 エルフ
乗合馬車で同乗していた女性がエルフとわかり、話しかけるエミリーたち。
「私の名前はエミリー。こちらは弟子のサラ」
「ティアーヌ」
「私とサラは魔法使いであるが、あなたはエルフであり、上位の魔法使いではないだろうか」
「エルフではある」
サラは驚いている。物語などで、エルフやドワーフなどの人間と似ているが少し違う種族の話を知っているが、実際に目にするのは初めてである。一般的には次のように言われている。
ドワーフは鉱山に住み鍛冶が得意、人との交流もその鍛冶の関係で行い、人の街で鍛冶屋をしていることもある。人に比べて背が低く太った体型で、豊富な髭が特徴。
エルフは森の奥に住み、弓矢や魔法が得意で、人との接触は避けている。すらっとした体型で、美形でとがった耳が特徴。
またドワーフとエルフは仲が良くない。
ティアーヌが耳も隠れるフードであること、弓矢を所持していないことからエミリーもエルフとは思っていなかった。
「不躾で申しわけないが、解呪などの魔法に詳しくは無いか」
とサラを手元に呼び、サラのフードをめくり、火傷痕を見せる。
「私の力ではこの子の火傷痕、おそらく悪魔魔法に絡む呪詛と想定している、を治せないのだ。お願いする」
と頭を下げる。サラはエミリーが魔法に関して頭を下げるのを見たのは初めてであり、自身のために・・・と思い胸が熱くなる。
ティアーヌはサラの頬を触るが
「残念だが、私では力になれない」
と返事する。
「そうか。ありがとう」
から始まり、サラで人見知りには慣れているエミリーは、ティアーヌが何か目的を持って旅をしている魔法使いであり、弓矢はエルフと気づかれて面倒になることを回避するためにしまっていることだけを聞き出した。
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