第161話 カーヤ

帰り道にいろいろと話をすることで、ソロ冒険者のことが分かった。

名前はカーヤ、12歳。鉄級冒険者であり、採掘もしながら鍛冶もしている。ワチエの街で、父が鍛冶屋、母が細工屋を営んでいて、独り立ちを模索中とのこと。


サラたちも伯爵領が出身で、それぞれの名前や銅級冒険者であることなどを話してある。サラの魔法や魔法の袋などは面倒になるので、最低限のことしか話していない。


カーヤの家にたどり着き、それまで何となく思っていたことが両親をみて確信になった。

「ドワーフ?」

「あれ、言わなかったっけ?そうよ。両親も私もドワーフよ」

「髭が無いじゃないか?」

「失礼ね。髭は男だけよ。ドワーフでも女に髭は無いわよ。まぁよく言われるけどね」

カーヤが両親に助けられた旨を説明すると、両親は3人に丁寧に頭を下げた。

「1人冒険は危険だと散々言っていたのですが、改変直後の鉱石探しが我慢できなかったのでしょう。改変直後の美味しい機会の貴重な時間を無駄に消費させて、誠に申し訳ありません」


お礼として金貨を渡されそうになり、それは辞退して武具の鍛え直しをして貰うことにした。日々の手入れはしていても、根本的な傷みは素人にはどうしようもないため、ドワーフ鍛冶師に修繕をして貰える機会の方を選んだのである。

サラたちはそれぞれ、高級ダガー、高級ショートスピア、高級スモールシールド、高級ショートボウ、高級ショートスピアを提示した。やはり鍛冶師であるのでスモールシールドとショートボウは金属部分だけになるが、それ以外は大丈夫と言われ、最優先で夕方までに終わらせるとのことであった。


待つ間に、サラたちはカーヤの母親に話を聞く。

カーヤには、両親の後を継ぐ兄が居て、この前まではその兄と一緒にダンジョンに潜っていた。ただ兄が修業のために街の外に出たため、カーヤは一緒にダンジョンに行く相手が居ない。もし良ければ、ダンジョンに一緒に行ってあげて貰えないか?と言われる。武具のメンテナンスは定期的に無料で実施するので、と。


サラたちも3人での探索には行き詰まりを感じることになると思ってはいたが、サラの魔法などが特殊なため即答はできなかった。

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