第672話 王都ダンジョン38階
久しぶりに王都ダンジョンに来ると、以前より強くなったはずの自分たちを試したくなり、攻略を再開する。
以前は38階の浜辺で、海蛇シーサーペントの攻略で止まっていた。
足場が少なく、≪水中呼吸≫≪水泳≫などの魔法を習得したものの、なかなかボスエリアに到達できず、他が多忙になったまま放置していた。
現在ではサラたち6人のうちハリーを除いた5人が≪飛翔≫を習得済みであり、いろいろな精霊を≪召喚≫出来るようにもなっている。シーサーペントの弱点である土属性の≪岩槍≫もハリー以外が習得済みなため、ハリーをアルベールが抱えて≪飛翔≫することで、何度目かの挑戦で攻略することができた。
ボスの宝箱から得られたのは≪氷≫が付与された片手剣ショートソードであり、ティアーヌが装備することにした。
次の39階は森林エリアで、出現する魔物はナーガであった。上半身が男性の人間の姿で下半身が蛇の魔物であり、噛みつきによる毒や尻尾による範囲攻撃などに注意が必要であるが、≪氷壁≫≪石壁≫などにより抑え込んでしまえばさほど苦労することなく攻略できた。
ここで得られた宝物は≪毒≫が付与された投擲短剣であり、扱いが難しいのでトリストフかカロルに渡すことにする。
そしてBランク魔物の最終階である40階は、夜の街タイプの遺跡エリアであった。
見た目は通常の人間の男性のように見える者が歩いていたので、他の冒険者が紛れ込むことがないダンジョンのはずなのに、と考えていると話しかけてくる。
「おや、なかなかの美女や美少女がいるではないか」
他の冒険者と合流するはずが無い王都ワーズダンジョンで、初めてパーティー以外の者との会話になる。内容はさておき、であるが。自分を無視されたハリーが問いかける。
「お前は誰だ?」
「男には興味がない。美女や美少女の血が欲しい。眷属にしてやろう!」
≪飛翔≫で飛んでくるのをかろうじて回避するサラたち。
「ヴァンパイア?いや、Bランク魔物だからレッサーヴァンパイアか」
「火魔法を多用しよう!」
スケルトンやゾンビを呼び出して来るなど、なかなか先に進むことができず、時間切れとなった。
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