第982話 不死魔物ダンジョン再び

心づもりや準備をしていたからか、昨夜はドラセム領軍だけでなく帝国軍でも死者は出さずに済んだが、やはり朝には治療に駆けずり回ることになった。そしてその後の軍議。

「そうか、さらに2つの発生源を発見したか。やはり木々が無くなると発見が早いな」

「はい、今回の騒動は後ろに何らかの者が居て同時多発的に魔物を発生させた可能性が高まったと思います」

「今回のダンジョンもドラセム卿に頼んで良いのであろうか」

「はい、手分け致しますので、帝国軍の皆様には昼の間の、森の中の間引きを引き続きお願いします」


前回のこともあるので、最奥には手強い者が居る可能性、また枝分かれのために人手が必要であり、ダンジョンは同時進行ではなく1つずつ攻略することにした。

まず丘の麓の洞窟であるが、これは入口の通り奥まで洞窟であったが、地下2階までしかなく、それぞれオークのスケルトン、ゾンビが湧いているダンジョンであり、最奥もヴァンパイアなどは居なくあっさり攻略が完了する。

続けて向かった砦跡では地上は小さかったがその地下が広がっていた。単なる洞窟タイプではなく、屋内であるかのような廊下や部屋の連続であった。ここでは地下1階は人間のスケルトン、地下2階はゾンビ、地下3階はゴースト、そして地下4階にはレイスとレッサーヴァンパイアという魔物構成であった。前回の洞窟より小さな規模であったので、何とか昼間のうちに攻略は終えられた。今度のレッサーヴァンパイアは女性であり、先日のような挑発には応じなくて黒幕と思われるハーランクという者の名前すら発言しなかった。


この日は昼間のうちに森を焼くことができなかったので、休憩をとった後の夜にも、大悪魔ファリクス達に発生源エリアと思われる残った森の焼き払いを指示する。

地表の見える部分が増えて来たことから、魔物の進行方向が見えるので、その進行元の森を焼き、また別の所の魔物の進行元を焼き、という進め方である。

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