第552話 戦争奴隷3

しばらくしてルーカイから、ハリーとローデット経由でサラに相談が来る。

「どうしたの?」

「使用人の当てが無いとのことですが、今もでしょうか?」

「そう、この本宅も開拓地の方も必要かと思っているのだけど」

「推薦したい者たちがいますが、よろしいでしょうか」

とのこと。


話を聞いていると、没落貴族であった自分について来てくれていた家宰が居たのだが、この戦争でも歩兵として一緒について来ていて、引き取り手が無いまま戦争奴隷の中にいる、とのこと。

また他にも馬の世話や食事準備など雑用などに動きが良かった歩兵も何人か売れ残りの奴隷の中にいたらしい。


ルーカイも連れて奴隷商のところに行くと、推薦したいという者たちは残ってはいた。ただ、奴隷商も本人たちと相談して売れ残り回避のために犯罪奴隷に奴隷契約を変更した後であった。

前回20人雇用する話のときには騎兵のみを対象にしたため歩兵であった彼らは検討の対象外であった。


元家宰の他にも雑用の歩兵を5人の合計6人を購入し、雑用の歩兵3人を本宅側に、残りの元家宰たち3人を代官地の勤務にする。

いったん6名とも、本宅の食堂で食事をしながら、本宅側メンバに紹介をする。その際には、第1騎士隊長のルーカイと代官地護衛隊長のアルバジルも呼んであった。

人数が増えたことにより、孤児が手伝っても不足していた家政婦的な業務や料理人の補助もこれで助かるとデュドニ達も喜ぶ。


没落後も自身について来た元家宰ブラハルトが犯罪奴隷になっていたことを聞き、ルーカイも犯罪奴隷になると宣言し、サラと共に奴隷商に変更に行く。代官地で、ルーカイと一緒の屋敷に割り当てられたブラハルトは2人きりになったときに、元主が犯罪奴隷になった境遇について泣くが、ルーカイは配下19騎兵の隊長という以前より良い待遇である陪臣の立場を頑張ろうとブラハルトを慰める。

ちなみにもう一つの代官地の屋敷には、護衛隊長のアルバジルと今回追加した使用人2名が住み、ルーカイ以外の19騎兵とアルバジル以外の7護衛はそれぞれ新築の宿舎に分かれて住むことにした。

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