第515話 帰国途上2
一月以上かかり無事に国境を越えたサラたち。
国境の川の両岸には、最低限の設備や兵しかおらず、平常時に戻った感じである。
念のためにティアーヌがエルフの村の村長と風精霊ジョステルの伝言で、もうワイバーンたちの襲撃が無いことも確認しており、安心してロワイヤンの街に入る。
ロワイヤンの街では代官のヴァレミ・グーモンスに面会し、情報交換をする。
サラたちが帝都に向かった後、戦功を稼ぎたかった武闘派たちがかなり帝国に攻め入ったが、結局大した成果を上げることなく引き上げて行ったらしい。国境に最寄りであるロワイヤンの街にはその時に発生した怪我人たちが残されて行っているとのこと。
兵士に罪があるわけではないので、サラたちは自分たちの回復魔法の訓練と割り切って、面会の後、怪我人たちの治癒を行った。
現皇帝に販売した兵糧の売却金の扱いについてヴァーヴ伯爵に相談すると、半分はロワイヤンの街に置いて行くように言われていたので、その旨を代官に伝えて渡す。
ロワイヤンの街では、途中での街などと同じように薬草や薬瓶を仕入れ、途中で狩った魔物のうち不要な素材を売却して、誕生日が近かったティアーヌやカロルのお祝いをして過ごす。ちなみに、ここでも魔道具屋に寄るが、めぼしいものは無く、冒険者ギルドで精霊の祠の情報を聞いても皆無のままであった。
国内に入ったので、馬車による偽装もやめて18人全員がバトルホースに乗りヴァーヴ伯爵領都サイユに移動する。
到着早々に伯爵の面会時間の予約に館に訪れると、すぐさまに面会するとのこと。サラはハリーとティアーヌの3人でのぞむ。
「ただいま戻りました。こちら、兵糧の売却金のうち、ロワイヤンの街に残して来た残金になります」
とまずは大金を渡し、それ以外は水精霊シルビーによる伝言で報告していたことにもなるが、この何ヶ月の状況について直接報告を行う。
「色々と良くやってくれた。前回に引き続きの活躍、寄親として大変うれしく思う。また領地を守ってくれたことを感謝する」
と、兵糧の売却金の半分を渡された上で、
「これだけ名が売れて成人したので、ますます仕官と結婚の話が来るであろうなぁ」
と、ニヤリとした顔で告げられる。
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