第991話 不死魔物氾濫後始末

サラはドラセム侯爵領軍など仲間達をそれぞれの拠点に≪転移≫で帰らせるのと合わせて、ハリー、ティアーヌと一緒にハーランクも連れてコルマノン王国の宰相ジョエリーに報告に訪れる。


「そうか、結局は黒幕が居たのではなく魔物の間引き不足だったということか。コルマノン王国でも魔物の間引きの推奨を引き続き行わないとな」

「はい」

「ところで、ハーランクと言ったか。ドラゴンに引き続いてSランク魔物の従魔ということか。これからどこで暮らすのか?」

「さすがに今までの帝国の森のダンジョンは良くないでしょうから、ドラセム侯爵領でダンジョンを作ることを考えます」

「そのダンジョンを能動的に作るのは、冒険者や兵士の能力向上、経済面、魔物の発生の抑止など色々と影響がありそうだな。その知識はドラセム侯爵領でのみの運用蓄積とするようにな」

「かしこまりました」


『帝国の皇帝派と皇弟派が融和するか。コルマノン王国としては少し嬉しくないが、武闘派もドラセム卿には敵わないと再認識しただろう。ますますドラセム卿の引き抜きには留意しないと』

宰相はサラと別れた後に改めて考える。



侯爵領に戻った後、ローデットも含めてハーランクの暮らすダンジョンについて相談する。

「侯爵領北部の魔の森、その奥地ならば静かに暮らせると思いますが」

「魔素が集まりやすいところがダンジョン作成の候補地です。既にダンジョンがあるところはそういうところなので、そのすぐ横も候補になりますが、魔素の集約としては勿体無いと思いますよ」

「では、ハーランクが住むのは北部の奥地にして、魔物の発生を減らすために通常の領地では初級、中級のダンジョンを複数作って貰うのが良いのかな」

「方向性としてはそうかと思いますが、設置場所などは冒険者ギルドとも相談した方が良いでしょうね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る