第278話 魔法指導4
リリーやカーヤが装備をつくっている間に、サラは魔力操作の指導をミーナにする。
ミーナを迎える3日の間に用意していた魔法発動体の杖を渡す。指の寸法が分かっていれば指輪でも良かったのだが、汎用性の高い杖にしたのであった。
まず体内の魔力を操作する、というイメージを言ってみてもミーナにはやはり伝わらなかった。そこで、治癒魔法の延長でミーナの中の魔力操作を強制的にして、体内の魔力の動きを感じさせるようにした。サラは既に何人にもしてみているので、慣れた手順である。
その上で、使用後の無色透明な魔石を渡して、それに魔力を入れるように練習するように指示する。するとミーナは勘所が良いのか、早々に魔石に色が付くようになった。
続いて、サラは≪水生成≫魔法の実例を見せて、ミーナにイメージをさせる。まず体内の魔力を集めて杖から先にその魔力を出して、水属性に変更して、水に変えるという3段階を説明する。
2段階目の属性変換が次にはイメージがつかみにくいことは、過去の生徒からも分かっているので、水属性の触媒を最初は使用することにした。
そうすると、ミーナはかなり早い段階で≪水生成≫ができ、触媒なしでも生成できるようになった。とはいうものの今日は小指の半分ほどの量であったが十分である。
サラは、ミーナに≪水生成≫の魔術語「aqua(アクア)-generate(ジェネラテ)」と魔法陣を書いたメモを渡し、これを覚えることでもっと効率的になるので覚えるように指示をしておく。魔術語は先日の試験時にも覚えたのだが、何の意味かも分からなかったはずであり、これが魔術語である旨も含めて教える。サラは他の仲間たちへと同様に戦闘時に有利であることなどから変な癖がつかないように、ミーナにも無詠唱を基本とするよう指導する。
水なのでどこででも練習ができるが、魔力操作だけならば魔石への魔力注入で訓練を、とCランク魔物の使用後魔石をミーナに預けておく。
ミーナは、サラたちに購入されての2日目、眠りにつくときにまたようやく1人になったが、今日も何だったのか、と振り返る。冒険者になるのはまだしも、1,000人に1人しか魔法を使えないと言われる世の中なのに簡単に魔法使いにして貰ったり、あっさりと魔道具や立派な装備を与えられたり。
お母さん、私は何を期待されているのでしょうか、大丈夫でしょうか、と眠りにつくのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます