第746話 援軍要請2

サラは王都ワーズに≪転移≫して、そこに集められていた王国騎士団、王国魔術師団の陣容を見ながら宰相に状況を報告する。

「想像はされたが、神国幹部は酷いままだな。教皇がまともであって助かるが。まず用意した騎士団と魔術師団をロージアンに運んでもらえるか」

「かしこまりました」

「しかし、このままだとまずいな。いっそレーベルク帝国、アルテーラ王国、ガーライト王国などに援軍要請はできないものかな」

「神国が頭を下げるでしょうか」

「幹部の反対はあるだろうが、教皇はやってくれることを期待するか。再度私がダラムに行って話をしよう」


取り急ぎ、ワーズに集まっていた王国騎士団と王国魔術師団をロージアンに届けた後は、宰相を連れて首都ダラムに≪転移≫して、教皇と対談を行う。

「コルマノン王国には大変感謝しています」

「まずの危機回避は出来たと聞いておりますが、この後はどうされるのですか?」

「ロージアンとダラムの間の村々もすべて救いたいのですが、戦力が足りておりません。単なる村民よりはるかに脅威な魔物たちの数が多く散らばっているのです」

「ロージアン付近まで押し返すには既に時が遅いのですよね。コルマノン王国からの支援だけではとてもそんな広い防衛線を張れません。他国とも連携する必要があると思うのですが」

「今までの関係性や、支援へのお礼をできる見込みが無いので・・・」

「コルマノン王国も当然無償というわけにいきませんが、駆け付けております。ダメで元々として他国にお願いしてみては?並行して国内の兵力を集めて頂いて」

「仰る通りですね。ドラセム卿、私を各国へ連れて行って貰えないでしょうか」


「レーベルク帝国とアルテーラ王国は行けますが、ガーライト王国は西部までしか行けません」

「何と、制約があるのですね。それだけでも結構です。では、ガーライト王国は行けるところまで我が国の使者と私の書状をお願いします」


ガーライト王国の港町ホーマに転移し、ミケラルド商会にアルメルス神国の使者を託した後は、レーベルク帝国に≪転移≫する。アルメルス神国の教皇、コルマノン王国の宰相とであり、神国幹部の反対はあったが教皇が再度叱りつけて決行したのである。

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