第961話 不死魔物氾濫情報

レーベルク帝国西部の魔物氾濫でゴブリン、オーク、リザードマンのダンジョンや溢れた魔物村を殲滅した後は、ワイバーン部隊の創設などに励んでいたサラ達へ急報が入って来る。

再び帝城への呼び出しであり、緊急とのことである。


「ドラセム卿、よく来て下さった」

「一体どうされたのですか?」

「それが、魔物の氾濫、スタンピードで」

「え?先日の討ち漏らしがあったのでしょうか」

「いえ、そうでは無いのですが。いや、そうなのか」

「?」

「前回お願いした3ヶ所よりもさらに人里から離れたところに別の氾濫があったようで、気づくのが遅れてしまったみたいです。既にかなりの被害が出ているようです。我々への情報伝達時点で、なので今はさらに広がっていると思われます」

「魔物の種別と場所は分かりますか?」

「アンデッドが複数種類と聞いています。場所はこちらです」


アンデッドであり昼間に移動しない、ゴブリンやオークのように村を作ったりしないことから発見が遅れたようである。

また、地図で示されたのは龍の棲む山の東側の森林部であり、つまりサラの父兄が暮らす村から山を越えた側である。


焦ったサラは報酬どころか詳細の話もしないまま、ハリーとティアーヌを連れて、父兄の住む龍の爪先村に≪転移≫する。被害がないことを確認してからハリーを留守番に残して、山の反対側の森林の上部にティアーヌと2人で≪転移≫し、≪飛翔≫で様子を確認する。


「昼だから動いているアンデッドは居ないのだろうけれど」

「あ、あの村でしょうか。壊滅したというのは」

アンデッドが動く夜に襲われたから火がまわったのか焼け焦げた、誰も居ない村を発見する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る