第848話 海賊内紛
アルテーラ王国海軍の隠れ拠点であり、ガーライト王国の私掠船やアルメルス神国の教団幹部・神聖騎士団から成り下がった海賊たちの拠点でもある巨大な島で、内輪もめが起きている。
「いったい何隻の帆船を撃沈したのだ?」
「3隻と聞いている」
「大陸間を苦労して渡って来た俺たちの船を!」
「神聖騎士団を乗せた帆船は4隻だったはずだ。ガレー船は8隻。この島に残さず出撃していたのに、ほとんどが囮に反撃されたということか!?」
「所詮は正式な軍隊でもない私掠船や陸上騎士団か。情けないな」
「何だと!」
「ま、反撃にあわずに済んだ者が帰って来るか、しばらく待つことだな。そして海賊行為はいったん休憩するべきだろうな」
「な!我々の生活保障はどうなる?」
「部下の心配より自分の心配か?聖職者らしい質素な、単なる飲食レベルならば保障してやっても良いがな。負け犬の無駄飯食らいには相応しいだろう?」
「なんだと!?」
「おっと、お前たち教団幹部が≪魅了≫を悪用していることは分かっているからな」
「くそ!」
「ふん、ぶくぶく太ったお前の攻撃が軍人にあたるとでも?おい、こいつらを捕まえて閉じ込めておけ。逆らったならば殺しても構わん」
丸々とした教団幹部たちと残った私掠船メンバを、捕縛するよう部下に命じる海軍の幹部。部屋から連れ出されて行く様を見てつぶやく。
「海賊の討伐を我々海軍が行ったことにでもしておくか」
そこに、別の兵士が飛び込んできて叫ぶ。
「敵襲です!膨大な兵に囲まれています」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます