第230話 魔法開発

王都に行く前に、サラと師匠エミリーはそろって近くの洞窟にいく。水精霊シルビーのいる洞窟である。

この2人ではEランクの蝙蝠や水蛇は全く脅威にならず、淡々と奥の泉までたどり着く。

そこでサラは日ごろのお礼の意味を、エミリーはサラへの支援のお礼とこれからの自分との契約による更なる支援を、祠にお祈りする。

サラが貰ったのと同じ魔導書をエミリーも貰い、まず≪契約≫を実施する。さらに直ぐに他の水魔法、シルビーの力を使った水精霊魔法も理解して≪召喚≫まで習得する。水魔術の高位魔法使いであり素地もあったからであろう。


その他に王都への出発前にすることとして、サラは闇魔法の基礎を師匠に教わる。初級の≪夜目≫であり、暗いところでも物が見られる魔法であり、他人にもかけることができる。闇魔法は高位になっていくと影も操作でき、知名度は低いが便利な系統である。

またこれでサラは6属性すべての触りは習得したことになる。



また、サラはエミリーに魔法開発を相談する。やりたいのは、ダンジョンで建物内タイプ等のときに隠し部屋を探していた風魔法を便利にしたいということである。≪そよ風≫≪集音≫という既存魔法を流用していたが、空気が通る隙間の有無を見つけるそのものの魔法を開発したい旨を伝える。


エミリーは魔法の開発について説明してくれる。

発動後のやりたいことのイメージが一番大事であり、それにより魔力を変換する先の属性を確定させる。もし別の属性を選んだ場合には効果が下がったり魔力効率が悪くなったりしてしまう。それも踏まえて必要な魔力量を確定させる。それだけで魔法はできる。ただ、魔術語や魔法陣も相応しいものが無いままであると、毎回の効果がバラバラになったり魔力効率が悪いままになったりするので、膨大にある魔術語の字典から相応しいものを探したり古代遺跡から新たに見つけたり試行錯誤して、魔法に命名してはじめて他者も使える魔法開発になる。さらに詠唱呪文もあった方が普及しやすくなる。


今、皆が使えている魔法は、先人たちの過去からの試行錯誤と淘汰の結果、便利で効率が良いものが伝わっている成果であり、先達に感謝を忘れてはならない、と付け加えられる。また淘汰の途中の非効率かもしれないが今には無い魔法が古代遺跡などから見つかることもあるとのことであった。

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