第697話 冒険者ギルド出張所2
開拓地のダンジョンの残置などを冒険者ギルドに相談に訪れていたサラたち。ギルド幹部からお願いがあると言われた。
「開拓地に冒険者ギルドの出張所を作らせて欲しいのです。開拓地には宿も出来てきているので、開拓地を拠点に魔の森に進みたい冒険者たちが増えています。ただ、採取した素材や狩った魔物の素材を王都まで持ち帰ることを面倒であるという声が聞こえてきまして。もちろん住民が増えるので依頼を出す人も増えてくるとは思いますが、現段階では素材の買い取りが主な業務になると思います」
「それは結構ですが、我々は何をすれば良いのでしょうか?」
「開拓地ではドラセム様から土地や建物を購入する必要があると聞いております。できましたら、馬車なども横付けしやすい主街道に面した大きめの敷地を販売いただけますか?もちろん、出張所を開設、運営する場合には既定の納税も行います」
「わかりました。場所については帰って検討して回答します」
開拓地で代官業務のために雇用した役人や家宰ローデット達と相談し、2番目の開拓地、南西角の1㎞四方のなかで店舗エリアのうち十字の主要道路に面する場所を提供することにした。
当然冒険者たちが数多く出入りするので住宅地ではない方が良いこと、搬入搬出を踏まえたときに利便性が高いところと考えての選定である。もちろんそれだけの価格になってしまうので、冒険者ギルド幹部に相談に行かせたが、費用対効果を踏まえたときに十分であると逆に感謝された。
サラの従士団のメンバも冒険者登録をした上で活動をしていることも踏まえると、冒険者ギルドの出張所ができたことでの恩恵を自分たちも受けることになった。
さらに、出張所ができたことでますます冒険者たちが開拓地を訪れることになり、宿屋や飲食店、さらには武具屋や雑貨屋などが喜び、それらの店舗数が増えることになった。開拓地の西部、小川の西側の街にももちろんそれらの店舗が増えて行ったのであるが、塀に囲まれた安全性が高い開拓地の人気が高く、店舗や住居のための敷地購入の希望が増加の一方である。川の西側は安くて出店が楽、川の東側の開拓地は高いというブランド価値も出て、商品層もすみわけがされるようになってきた。
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