第88話 襲撃準備

翌朝、オーク村殲滅の依頼を受けた冒険者15人がギルドに集まっている。


「俺の名前はオットマー。見ての通り両手斧を使う。銀級冒険者だ。この殲滅チームのなかで一番上級なのでリーダーを指名された。みんな、よろしく!」

「私はオンハルト、銅級。オットマーと同じパーティーで魔法使いであり、今回の作戦を担当する。みんなしっかり聞いて欲しい」

と今回の連合依頼を率いる2人が話をする。


オーク村の位置はゲレの街から約1日歩いた先にあり、オークの数は20匹以上と思われている。普通のオークだけでなく、上位のハイオークも居るようである。

今日はこのまま移動して村から少し離れたところで、地形や状況などを把握した後、少し休憩してから夜襲を行う。


という内容であった。


各々のパーティー構成、職種、遠隔攻撃や斥候能力の有無などを共有し、交流しながら1日かけて魔の森を進む。こちらの人数が15人も居るため、途中で出くわした魔狼、ゴブリン、オークなどは時間をかけずにしとめて進む。


途中、開けた場所で昼食休憩を取っている際、オンハルトがサラに話しかけてくる。

「魔法使いは今回俺たち2人だけ。よろしくな」

「はい」

「作戦を考えるのに、どんな魔法が使えるか教えてくれ」

「得意は水で≪氷刃≫、火は≪火炎≫、後は≪治癒≫など」

「なかなか優秀だな。俺は≪火炎≫がメインだ。手を広げるほど覚えられなくてな」


もう少しでオーク村という手前で日も暮れて来て、進行停止する。察知能力のある先輩アルク、サラと他2名が2班に分かれて村を偵察するのと並行して、残りメンバは拠点づくりをする。オーク村を襲撃して失敗の際に逃げて戻れる場所を確保しつつ、周辺に罠設置をする。

オーク村は崖を背面に作られていて、中段に大きな建物が1つ、そこから下に降りる坂道、地面に10は無い建物が点在。地面では村の境に丸太で塀がつくられ、東西に出入口があり、それぞれに2匹ずつの見張りがいた。村全体では20匹以上50匹未満の規模にみえた。

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