第213話 牙虎巣

6日目に地図上では26階への階段付近になった。つまり牙虎の巣でもある。24階でのロック鳥と同様に、多数の敵への訓練として、ここでも殲滅を目指す。


前回と同様に、リリーの≪必中≫と≪遠射≫による釣りでおびき出した少数をそれぞれ倒しきる。

その弓矢の釣りが効かなくなったとき、ロック鳥ガンに持てる最大の大きさの石を上空から落として注意を引いてくる釣りを試す。牙虎は遠隔攻撃が無く上空からであれば危険はないからの試験である。これが意外と効果があり、さらに数を減らすことができた。


最後にはサラの召喚による水精霊シルビーと悪魔ストラデルも加えての総力戦である。ロック鳥ガンはまだ戦闘に参加できるとは思えなかったので、後方待機にする。

既に数も減っていたこと、ロック鳥のように三次元の動きもないこと等から、何の危険もなく殲滅できた。


サラが≪治癒≫≪回復≫をかけたあと、魔剣での吸血がてらの魔石や素材回収している間に、ハリーたちはまた卵が手に入らないかと期待しながら巣を捜索する。

残念ながら被害者想定の武具といくらかの貨幣程度しか見つからなかった。


がっかりしながら26階に降りて光る床から出口に向かう。牙などの素材を売却し、残り日数僅かであるが地図も販売する。最後に回収した武具も安価な物であり、期待外れではあったが、25階の探索時にはロック鳥ガンが孵化した喜びもあった。

ガンの従魔登録をするために、従魔屋に向かい従魔の証を調達する。あわせて

「従魔契約もおすすめしますよ」

「え、でも懐いているし問題ないと思うのだけど」

「他人に奪われたりしても所有を証明できるのと、迷子でそのまま死亡したときにわかるメリットがありますよ」

「一応お願いしておこうか」

というやりとりから、従魔契約もハリーとガンで結ぶことになった。従魔の証には、使役者ハリーの名前と種別ロック鳥とガンの名前と併せて従魔契約済の旨も刻まれることになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る