第25話 反省会2


最終的に2度目の狩りは、角兎16羽という前回の5割増しの成果になった。

怪我も含めて緊張感をもっての実戦訓練であり、3人はますますそれぞれの技術を習熟することができた。

今回も、肉と毛皮は兄妹が引き取り、魔石と角は均等に割り、角をそれぞれが討伐証明として冒険者ギルドに納品、最後に余った魔石と角の1つずつはサラが貰うことにした。



領都への帰り道、リリーが音頭をとってそれぞれの反省を話し合うことにして

「まず私からね。私が近づいてくる前にしとめきれていればもっと良かったのにね」

と話を振るも

「俺がもっと引き付けておければ・・・」

「・・・」

と、残り二人の返事は暗く盛り上がらない。


ハリーは前衛として自身が敵を引き付けるための挑発技術を習得しておけば良かったと考えているし、サラは初めて目の前で見た大怪我に対してたまたま魔法回復薬があったから良かっただけと考え込んでいる。

「エミリーさんの魔法回復薬のおかげで何ともなかったのだから」

とリリーが二人を励ますも、雰囲気は変わらず。


結果、怪我をしたリリーだけが明るく努めるも他の二人は静かなまま、冒険者ギルドで手続きをして解散となった。




サラは、いつものように夕食時に師匠エミリーに今日の出来事を聞かれる中で、泣きながらリリーの大怪我のことを話すのであった。そして、魔法回復薬の作成と回復魔法について教えて欲しいと懇願するのであった。



エミリーは、魔法回復薬で大事に至らなかったことに安堵しながら、友達のことを泣けるまで変化したサラのことを嬉しくも思い、翌日からの指導方法を考えるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る