第822話 霊的存在

サラは霊的存在である契約相手がかなり増えた。

水精霊シルビー、火精霊ヨルバ、風精霊ジョステル、土精霊ペクトーン、光精霊メスメレン、闇精霊ヴアル、天使マルカルロ、悪魔ストラデル、アエグルン、フールカン、アゼルソン、セパルである。


それだけ恩恵も受けているので、魔石等の奉納先が増えるということでもある。もちろん、サラの仲間たちも契約して恩恵を受けているのでお礼も兼ねて奉納をしている。サラが最初に契約して仲間にも一番普及している水精霊シルビーは、かなり力をつけることになった。

霊的な存在は、日ごろは精霊界・神界・魔界などの異界に存在し、召喚などにより人界に力を現す。霊的存在は、人々からの信仰により自身の力を向上させるため、祈りや魔石による魔力の奉納という即物的な物も喜ぶ。


悪魔は大々的に祀ることはできていないが、それ以外は祭壇や祠をあちこちに増やしたり、サラたちがその精霊魔法などを使うことで一般の人たちに広く認知されたりすることでも力を向上させている。特にサラが契約で見出した精霊のほとんどは人々から存在を知られていない、もしくは忘れされられていたのである。土精霊ペクトーンだけはドワーフ村で祀られていたが、≪召喚≫できる者が久しく居なかった。

天使マルカルロも、知識・魔法の女神ミネルバは広く認識されていても、その眷属の1天使の知名度は無かったのが、サラと契約してサラが活躍すると共に、ミネルバと合わせて語られるようになり大幅に力を増してきた。


面白くないのは悪魔ストラデルである。

サラの魔剣であり、魔法の発動具として活躍しているのだが、他者から祀られることもない上に、サラが狩った獲物の魔石も他の契約相手に分散して奉納されていくことになっているからである。また、悪魔であるので倒した相手の魂を望むのだが、ドラゴンのドンのように命を奪う機会も減ってきているので不満である。

とはいうものの、サラの母ローラが遺跡から発見してサラが使いだすまでは弱小悪魔であり短剣を依代にしているだけであったのが、サラと契約してから急成長している。先日もドンの魂は貰い損ねたが、他のドラゴン3体の魂は入手している。


それに比べると、アエグルン以下の他の悪魔は契約相手も少ない上に活躍の機会が非常に少なくもっと不遇であるが、それぞれサラたちに敵対した者が契約していて、倒された後に契約した存在であるので人界に召喚される機会があるだけマシと我慢している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る