第17話 魔道具

武器屋の店主が、サラの短剣について説明をする。


「この茎(なかご)という柄の中に隠れている部分を見てみろ。小さいが、魔石と魔法陣があるだろう。これは魔道具だよ。何の効果かまではわからないが」


魔道具とは、魔法を込める魔法陣が小さく書き込まれているものである。そもそも魔法陣は、魔術語と幾何学模様で出来ていて、魔法の発動を助けるものである。

魔力を込めると炎をまとう剣のような魔剣と呼ばれるものや、使い切りの強力な魔法を込めた指輪など戦闘に使用するもの、魔力を込めると光り続ける光源など生活を便利にするもの、色々なものがあるが、基本的に安い物は無い。魔道具の製作は、錬金術や付与魔法で行われる。

使用者の魔力を使わない、もしくは効力を上げるために魔石と併用するものもある。また、高い圧力で生成される宝石は魔道具と相性が良く、ペンダント、ブレスレット、指輪などのアクセサリー、ジュエリーとしての形状の物も多い。それ以外の魔道具としては武器や防具も多い。

魔法の発動を助ける発動体の杖や指輪なども魔道具の一つである。


サラは、この店頭の他の短剣を見る気にならず、他にも見てまわる予定であった店にも行かず、慌てて師匠のところに帰るのであった。


帰るなりエミリーに短剣の茎を見せる。

「あら!これは」

と言い、エミリーは魔法陣の魔術語を読み解く。

「これは発動体だったのね。いつも使わせている杖よりも強力だわ。他にも何かあるようだけど、私にはわからないわ。悪魔魔法っぽい何かかしら」


サラに、いつもの杖ではなくこの短剣を発動体として使用することを指示する。

サラがいつもと同じ魔力の込め方ややり方で

≪水生成≫

と発動させると、最近は指3本程度の大きさだった水が、握りこぶしの大きさに。さらに移動を意識させると歩くぐらいだったのが、物を投げたぐらいの速度で動かせるようになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る