第529話 孤児院開始3
翌朝、新しい家でデュドニとガエルと一緒に朝食を食べた孤児の3人。
その後にやって来たサラとローデットからの話を聞く。
「このドラセム家、魔法関係の秘密が多いと思われているの。大した秘密では無いと思うのだけど、仲間のために約束をして欲しいの。私たちの仲間、親しい人たちが害を被ることが無いように、また私の特殊な魔法などを外に漏らさない様にして欲しいの」
「それを、もちろん≪奴隷契約≫なんかではなく≪簡易契約≫して貰えるかな」
と2人から言われて、驚くが伯爵だしそういうこともあるのかとうなずく。
それから、サラと3人はそれぞれ≪簡易契約≫を行う。
また、ついでにね、と言われて、サラから回復魔法の応用で、魔力操作のイメージを教えて貰う。体の中に経験のない流れがあることを理解する。
「これが出来るようになると、武技や魔法の習得が簡単だからね。練習にこれをしたら良いわよ」
と、無色透明の空の魔石に魔力を込めて赤紫色にしていく実演を見せて貰い、空の魔石をそれぞれ1つずつ貰う。
2人が戻って行った後、デュドニとガエルに色々と話を聞く。
「私たち夫婦2人も含めて、この敷地のほとんどはサラ様と奴隷契約をしているの。隣人のカーラ様以外では、冒険仲間だったハリー様とリリー様とカーヤ様以外はそう。だからこそ、奴隷契約でない3人はその信頼を裏切らないようにね」
と言われて覚悟をする。
まだ職業訓練の年でない3人は、その事前の家事手伝いのような感覚で、皆から色々と教わる。基本的にはガエルと一緒に、各建屋の掃除など家政婦の手伝いをするのだが、何をするにも体力が必要であると、敷地のなかを走ることや、木剣を振り回す練習を教わる。年上の皆がしている従業員棟の陰にある木の人形相手に木剣で切りつける練習は、もう少し大きくなってからと言われる。
また、クリストンを中心にリリーやカーヤから識字や計算の指導を受け、ローデットからは最低限のマナーを教わる。
アンブリーにも、何か街で見かけた馬より立派な馬ばかりの世話も教わる。
大事なこととして、元の孤児院にはいつでも行っても良いけど、誰か大人と一緒にね、と念押しをされる。
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