第413話 初交戦3
それから数日は、昼間は北の城門で城壁に隠れたまま魔法等で敵軍を撃退し、夜は1つ2つの小規模の砦を取り返すことを繰り返した。
いずれにおいても、帝国軍には初級や中級程度の魔法使いは居たが、学校対抗戦の大将や副将のような危険な者は居なかった。有力な魔法使いは本陣に構えているのであろうか。代官の息子に≪呪詛≫の火傷痕をつけた、サラの母ローラの仇の可能性のある魔法使いは居ないのか。魔法使いはすべて悪魔教団との関係がありえるので、優先して始末している。
無人にした砦には、翌日にはまた帝国軍が兵士を詰めることを繰り返していたが、2~3度ほど繰り返すともう補充されなくなっていた。
そのことを代官に相談すると、
「詰めていたはずの兵士が翌朝に跡形もなく居なくなるのは、恐怖でしかないだろう」
とのことであった。
「かといって、王国軍が砦に入るのは兵力分散となり危険なのと、街からまとまった兵を砦に向かわせるために開門したところを狙われる懸念もあるのでしばらくは空き砦にする」
と言われた。
当初の目的であった王国の砦を囲んでいる帝国軍の排除であるが、周辺砦の異変を踏まえて撤退がされたようである。救援物資を持参しつつ回復魔法をかけるためにサラたちが急いで駆け付けるのであった。
村々においても、必要物資の略奪が終わったところから帝国軍が撤退しているとのことだった。
その帝国軍は分散していた戦力を平原に集中したのだと思われる。
一方、王国軍の方も援軍が進軍速度を上げたことで数千の規模が平原に集まりだしていた。最初は騎兵が主であり、歩兵も順次追いついてきているようである。
局地戦ではサラたちが活躍しているものの、帝国軍は数が減ったようには見えない。ロワイヤンの街だけでなく、援軍とも情報伝達していることで、小さな成果の積み上がりにより、街と援軍それぞれで戦意はあがっているが、もともとの戦力でいうと、このまま平原で正面衝突されると王国軍は危ないと思っているのは、ある程度の役職がある者すべてであった。
王国軍の増援で歩兵も集まるぐらいまでは、サラたちも北門での撃退に専念していた。
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