第653話 討伐依頼
アッズーラ達と再会した後、再び宰相との面談になる。
「おそらく、神国は元々帝国と王国に侵略するつもりがあったのだと思われます。だから、通常の外交ではありえない使節団長を派遣し、挑発したのだと。2度目の使節団で憤って軍団を連れに帰った方も、1度目の使節団長と同じタイプでしたので。王国と違い、その挑発に乗ってしまった帝国は使節団を幽閉したということへの断罪を受けることになりました。ただ、あくまでも幽閉であり生命を脅かすことはなく、一般人よりよほど豪勢な食事を取られています」
「その使節団長へも、ですか?」
「いえ、その天使を召喚できた神官の助けで使節団長は幽閉から逃れ、神国へ戻らせようとした使節団員と合流したとのことです。そのまま行方不明になっております。残っていた使節団員はチェッリーナ様のように常識的な方たちだけでしたので、なおさら接待と同様です。今、アッズーラ様たちも合流されていますが、普通の外国使節団への対応です」
「回復魔法なども使える強力な神聖騎士団が中心である神国の軍団は、港町にたどり着き、帝都に向かうそぶりを見せているとのことです」
「これからどうされるのですか?」
「幽閉したことは謝罪しつつ、あくまでも侮辱を受けたことへの謝罪は要求し続けます。ただ彼らは侵略する目的があるため、幽閉したことよりも悪魔教団の討伐を理由に進軍することが想像されます。そこで冒険者ドラセム様へ、また依頼をさせてください。悪魔教団を帝国は自力で排除、討伐したとして神国を追い返します」
「冒険者が教団の討伐ですか?」
「もちろん、帝国軍も主体的に出陣します。ただ、敵には強い魔法使いが多く存在すると想像され、それに対応できるほどの力があるのはドラセム様を除いては居ないかと。十分なお礼をさせて頂きます。どうか指名依頼をお受けください」
以前は武闘派、皇弟派を中心に悪魔教団とのつながりも深かったが、前回の戦争時の暴走のことも踏まえて皇帝派は悪魔教団との縁切りを進め、犯罪者に対しては取締を行っていたらしい。それにより悪魔教団もかなり人数が減ったが、逆に危ない者が残り筋肉質な組織になっているらしい。
いつものように水精霊シルビー経由で王都の宰相と相談すると、その依頼を完遂するよう指示されたので、官僚と一緒に帝都の冒険者ギルドに行き、指名依頼の処理を行う。
そして、3日後に帝都から北西にある山のふもとで帝国軍と合流することになった。その山の洞窟を利用して教団の本拠地があるとのこと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます