第11話 湖畔
翌日もいつも通りに薬草採取のため、森に向かうサラ。
まず、昨日使用した落とし穴の状態を確認する。ウサギのような小動物の場合は問題ないが、昨日の蛇のような場合には登られる懸念があるため、穴をさらに深くして壁面に残る木の根を取り除き、なるべく平らに固めておいた。
他にも設置している罠も確認し、落とし穴には同様の措置を行いつつ、罠にかかっていた野ウサギにはとどめをさして血抜きを行い背負袋に入れた。
その後、湧き水近くの魔力回復用薬草の根を採取し、湖畔の日当たりの良い岩場で弁当を食べた。そして湖畔で傷回復用薬草の葉の採取を行った。
そして休憩がてら、湖に向かって≪水生成≫の魔法の訓練をする。習熟による消費魔力の減少と、自身の魔力の増量を考え、暇があると訓練するようにしている。
もちろん、急に生成される水量が増えるわけでもなく、昨日と同様な親指ほどの大きさの水が空中にできた後、湖に落下する。また水が空中に現れ、湖に落下する、を繰り返した。
途中で人の気配に気づきそちらを見ると、同じ年頃の子供が二人、湖に向かってくる。
「お前、もしかして魔法を使っていた?すごいなぁ!」
と大声で近づく男の子。
「え、そんなわけないでしょ。見間違いじゃないの?」
とついてくる女の子。
火傷痕コンプレックスで人とは距離を置きたいサラは後退りするが、
「怖がっているじゃない。ごめんね、うるさくて」
「そんなことないよな」
と、二人は目の前までやってくる。
男の子は左腰に小さめなショートソードを、女の子は矢筒を背負い左手に小さめなショートボウを持っていた。
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