第801話 侯爵誕生パーティー2

他に、魔術学校の学校長にして女性エルフのクレオンダにも、侯爵への陞爵(しょうしゃく)と誕生日それぞれを祝われ、

「学校にもあまり来られなかったくらい忙しいのは分かるけど、またいつでも図書館ぐらい使いに来たら良いからね」

とありがたい言葉を貰う。


帝国や神国への外交使節団として一緒になった、テオドナ・モンブリー法衣伯爵、クリミーユ・タンプ法衣子爵も来てくれている。

「ドラセム侯爵にご一緒頂くと、結果として外交としても交渉しやすい方に進めて頂いて、我々の手柄にもなるのでありがたいことです。これからもぜひとも」

言葉はありがたいが、そのような事態にまたなることは勘弁して欲しいと思うサラである。


形だけ招待を送ったつもりの宰相ジョエリー・ヤンクシオも本人が少しだけと言って遅れてだが参加してくれている。

「我々が親密であることを、皆に見て貰う意味でもあるからな。たぶん王国魔術師団長が後で相談してくるであろうこと、王国としてどちらでも許容であるからそちらは気にしなくて良いぞ」

何のことか分からないが頷いておく。


それよりも、形だけの招待のつもりでも本人が来てしまうのは、まさか王家も?と不安になっているところに王国騎士団長が遅れて参加してくる。

ここでの騎士団長は第1騎士団長のことである。第1騎士団は王家直属の騎士団であり厳密には国家ではなく王家から俸給を支給している。嫡子以外の貴族ばかりの近衛騎士団、法衣公爵・侯爵・伯爵による寄せ集め騎士団である第2騎士団と違い、平民だけで構成される騎士団であるが、専業軍人として日々揃って訓練しているので、装備が統一されているだけでなく、戦力としても期待できる。

神国に派兵したのもこの第1騎士団になるが、この団長は第2王子ジョアベル・ディデリク・コルマノンである。近衛騎士団長は王太子である第1王子、第2騎士団長は王家の親族である公爵である。

「王家へも招待して貰ってありがとう。まぁ今日は第1騎士団長として参加させて貰った。神国騒動でのお礼もあるからな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る