第33話 属性魔法

サラは師匠の手伝いを始めた。今までは薬草採取など雑用が主であったが、訓練の意味も含めて、少しはできるようになった調合も手伝う。


また、あわせて最近の戦果から触媒の作成を自ら練習でやってみる。

以前、Eランク水蛇の牙2本から水属性の触媒を作成済み。今回はEランク角兎の角3本とDランク猪の牙2本から触媒を作成する。いずれも土属性になる。

それぞれ洗浄と乾燥は済んでいるため、粉砕して不純物の分離で触媒が完成した。


以前の水属性のEランク触媒と合わせて、土属性のEランクとDランクの触媒ができたが、まだ使い道が決め切れていない。



サラはエミリーに、触媒の使い道を含めて今後の成長の方向性を相談する。

エミリーは積極的になったサラに驚きつつ、今は自分が得意な水属性を主に教えていたが、他の属性についても教える時期が来たか、と真剣に考える。


まず、触媒は急いで使わなくて良いことを説明し、自身の能力以上の魔法を使う必要が出たときまで置いておくことを勧めた。



基本6属性の火風水土と光闇それぞれに対して、初級レベルまで行かなくてもほんの少しできるだけで生活や冒険の便利さが大幅に変わる。またそれらでイメージを掴めるようになることで、水属性以外も得意になる可能性がある。

火属性で種火を出せる、風属性で遠くの音を拾う、土属性で敵の足元に小さな段差をつくる、光属性で暗闇に灯りをつくる、闇属性で灯りを消す、など生活や戦闘にも活かす方法はいくらでも存在する。


まずは魔力を基本属性それぞれに変換する訓練が必要であり、火属性ならば≪種火≫、風属性ならば≪そよ風≫、土属性ならば≪砂生成≫などを練習させることにした。

一気に全属性は難しいため、身近な火属性の≪種火≫から指導開始した。すでに≪水生成≫等で、魔力から水属性への変換については習熟しており、見た目にも分かりやすい火のイメージをもとに変換させるためである。


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