第34話 洞窟


冒険者ギルドで調べたように、次の目標は洞窟の蝙蝠にすることにした。


街からそれほど遠くなく、洞窟も深くは無いので日帰りはできるようだが、洞窟であるため松明などの灯りは必要となり、それらの準備をして朝早めから出発する。


森の奥の洞窟に到着すると、いったん休憩をし、松明に火をつけてから侵入する。

ハリーは左手に盾と右手に片手剣を持ち、リリーは弓矢を背中に右手に槍を持つ。リリーの左手が空いているが、もし松明を持つと戦闘時に槍を右手だけで持つか、松明を放り捨てて槍か弓矢を両手で持つことになるため、サラが左手に松明、右手に短剣を持つことにした。

道幅は3mほどあり、二人は横に並ぶことができるため、盾を有効に使うためにもハリーが左前、松明を少しでも前方に照らすためサラが右前、最後にリリーが後ろの逆三角形のように固まり進む。


この洞窟のことを事前に調べた内容からは、鉱石などの採取はできない自然洞窟であり、あまり複雑でも無いとのことであったが、簡単な地図作成をサラが行うことにした。

人が通れるほどの分岐道は無く、あっても簡単なくぼみ程度であった。

入り口近くに出る蝙蝠は魔物ではない単なる動物とのことであったが、実際に遭遇しても攻撃してくる前に逃げ出していった。


特に苦労することもなく進んでいると、だんだん壁や地面が湿ってきた。最奥に泉があるという事前調査もあり、自然の地下水であると想像された。

少し先の小さな水たまりに何らかの気配がすることにサラが気付いて、遠くであることからリリーが弓の用意をする。ゆっくりと近づくと水蛇であり、それと分かりリリーが矢を放つのと同時に水蛇も襲ってきた。

リリーの矢もサラの≪水刃≫も当たった上、水蛇の勢いがついた噛みつきはハリーの盾で防いだ上での片手剣による攻撃でアッサリとしとめることができた。胸を割いてみると魔石があり、魔物の蛇であったことを確認した上で、血抜きをしてからハリーの背負子に死体を積む。

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