第485話 国境橋攻防3
兵士数が圧倒的に違うことから、減らせるときに減らした方が良いと考え、サラたちは魔法攻撃を開始する。
橋は燃やすと後々で不便になりえるので、最後の手段に残すことにし、まずは≪氷結≫や≪氷槍≫など水属性魔法で遠隔攻撃とする。これで死亡もしくは重傷で戦闘不能になった重騎兵たちはますます橋上の邪魔な物体となり、確実に帝国軍の進行を遅らせる。
また、精霊などを≪召喚≫できる者は対岸の帝国兵に対して攻撃を繰り返す。悪魔教団と結束している第2皇子軍であるため魔法使いもそれなりには居るはずであるが、ほとんどは騎乗ができない者たちであり長くなっている隊列の先頭付近には居ないか、居たとしても中級魔法使いまでが多いため、召喚した精霊たちへの攻撃力はほぼ心配しなくて良い。逆に魔法使いを発見すれば早々にしとめるために集中攻撃をしたいので、早く魔法を発動して存在を主張して欲しいぐらいである。
ティアーヌなど木々や森を愛するエルフもいるので、対岸の森を燃やすことは現時点では避けている。本当は木々と合わせて帝国軍を焼き払うことで大打撃を与えつつ、対岸に隠れるところを無くすことで帝国軍の動きを把握しやすくなるのであるが。
そのため、川の手前からは単発の≪火炎≫≪火槍≫≪豪炎≫による攻撃はしても、範囲攻撃の≪爆炎≫の使用は控えている。それでも魔法攻撃はほぼ王国からの一方的な使用になるため、しばらくすると帝国軍は川岸には近寄らず、かなり森の中に隠れた場所に布陣することになったようである。
その日は王国軍に被害無のまま帝国軍に100人ほどの死者・重傷者とその2~3倍の負傷者を発生させて終了となった。
司令官であるロワイヤンの代官の息子からお礼を言われる。
「いつもながらサラ隊長の独立部隊のご活躍は大変すばらしいですね。お陰様でとてもたすかります」
暗くなっても、橋の上に≪灯り≫を灯すことで重騎兵の死体を回収しに来た者たちに水魔法をするため、サラたち独立部隊メンバは交代で休むことにした。もちろん≪灯り≫の下をじっと見続けるのは一般兵士にも分担して貰っている。
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