第199話 ダンジョン21階

前日の計画通り、8人で戦闘しながら下階への階段を目指して最短経路を進むことにする。


基本的に遭遇するのは白猿が3~5匹であり、貴族パーティーの訓練を主目的とするため、金属鎧3人を前衛に、フェルールを後衛で≪火炎≫中心に戦闘させる。

白猿が3匹であるならば、習得した武技や魔法の訓練にちょうどであったが、それより多い時には、サラやリリーの遠隔攻撃で数を減らして対応させる。森林エリアであるからか、戦闘中に別方向からも別グループの白猿が襲ってくることもそれなりにあり、それにはハリーが≪挑発≫で防御しながらカーヤが習得した≪剛撃≫で主に対応することにした。


2~3日したぐらいから段々4匹でも貴族パーティーだけで対応できるようになり、戦闘後にフェルールの≪回復≫で治療するだけで済むようになった。

遭遇するだけの回数では物足りなくなり、リリーが進行に邪魔にならない程度に白猿を釣ってくることもして、習熟度をどんどん上げるようにした。やはり同等技量ぐらいの敵に実戦訓練するのは習熟速度が速い。また少々の危険はフォローするメンバもいるし、例え怪我をしても指欠損程度であればサラの傷魔法回復薬で治せるというのも、思い切りよい実戦ができる理由であった。


想定より少し早く5日目に目的地付近につくと、やはり白猿の村と思われる場所を発見した。サラたち4人だけであれば、森林エリアであることを活かして戦闘をせずに下階への階段を探すところであるが、今回は貴族パーティーの訓練の仕上げも含めて、討伐を目指す。

まずは遠めから見えた3匹ほどの集団を遠隔攻撃で釣り出し、個別撃破を行う。3回は上手く行き、数を順調に減らせた。それ以上は村の奥にかたまってしまい、遠隔攻撃が届く範囲は村の敷地に入ることになり、総力戦になる。しかたないので水精霊シルビーを呼び出し、10匹ほどに対して8人で戦うことにした。

魔法を含めた遠隔攻撃で数を減らしてから接近してきた白猿を倒すのであるが、盾役が4人もいる上に、≪氷刃≫の同時攻撃が2人、≪火炎≫が1人いるため、敵の前列を抑えながら後列を安全に倒すことができ、大怪我することなく殲滅することができた。

それなりに激しい戦いであったので、フェルールだけでなくサラも≪回復≫を使用して治療する。


主にサラが魔剣で吸血しながら素材や魔石を回収した後には、両手剣の入った宝箱から中身を回収して、下層の光る床から出口に向かう。

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