第676話 水源確保2
サラたちは、まず開拓地北部でつくる人工池の縄張りを行うことにする。
今、3㎞四方の9区画ある開拓エリアから、さらに南北2㎞で6区画分を確保しておき、その北側に南北1㎞東西3㎞を人工池のための場所とする。
深ければ深い程、貯水量を確保できるため土精霊ペクトーンを何体も≪召喚≫しながら、土魔法も使用してそれだけの大きさを確保する。
掘り起こした土は人工池の北側に積み上げて行くことで、逆に人工の丘ができて行く。
先日習得したストーンゴーレムの魔法で、追加で確保したトロールを≪石化≫した石像を動かして、土木工事の手伝いもさせる。トロールのストーンゴーレムの自重による圧縮や、邪魔な土木の運搬など、魔法の袋と併用することで、今までの≪土壁≫≪石壁≫中心の土魔法中心での街づくりよりも捗った。
人工池の目途がたつと、次は湖に向かっての水路の構築である。これは元の小川の拡張の案もあったが、そちらの生態系、特に薬草の生息地などを傷める懸念もあり、元の小川とは別に、とはいえ少し距離はあけても出発地と目的地もほぼ同じであるため、ある程度は並行するような経路となる。
この水路の構築でも、トロールのストーンゴーレムが活躍する。ゴーレムであるので、複雑な命令はできないが、単純作業を繰り返すことは得意である。
まずは、湖から人工池までほぼまっすぐな経路を決める。これは上空を飛んで都度確認する。分かりやすい目印とするために途中途中の木を先に取り除いておく。その目印を繋ぐようにさらに木々を取り除くことで、まっすぐな道が出来上がる。その幅5mほどの道の真ん中の幅1mほどを掘り下げて深さ3mほどにしていく。1mにしたのは、魔の森に入る冒険者たちがあまり苦労なく水路を跨いで行けるようにするためである。川の両岸になる幅2mほどもトロールゴーレムの自重で踏み固めることで、護岸強化をしておく。
掘り出した土を丘に運ぶのには魔法の袋も使用するが、24時間自動運転をさせるゴーレムによる掘り出しや踏み固めにより工事は順調に進む。
開拓地から掘り進めた水路は、湖まで残り少しとなったところでいったん保留にして、周りもしっかり固めてあと少しにしたところで皆を集めて、開通祝を行う。
皆の意見に従い、サラが最後の一崩しをゴーレムに指示したところで、湖から水路に水が勢いよく流れ出し、開拓地の北側に製作した人工池まで到達することを確認できた。
これでサラがしばらく不在にしても水不足に悩む必要もなくなる。
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