第972話 不死魔物包囲網3

夜になりアンデッドが再び街や村を襲っているとき、サラ達は焼き払って作成した街道もどきを手分けして上空から見張っている。

もちろん発見した横から攻撃して殲滅して行ったのだが、まったく魔物が現れないところもあった。

「で、やはり森の北西部から進行してきているのが再確認できたということだな?」

「はい、そうです。昨夜に魔物が発見された街道もどきのところでは、そこより北西部に再び街道もどきを作成していきます」

「それで魔物達の発生源の方向を絞り込むというのだったな。時間がかかるな」

「森を焼く量を減らすための方策です」

「銀龍よ、わかっている・・・ただ、終わりが見えない兵士たちの精神的疲労がな」


「将兵には昼間の待機されている間に、森の中で日陰を捜索して動きを止めて弱っている死体を処分されると良いかと」

「確かに城壁で守られている間は夜間の疲労も少ない。昼のうちに減らしておこう」

「ただ、だんだんと人間以外の死体が攻めてくるようになれば城壁も不安になります。今のうちにできるところをお願いします」

「承知した」


何度か街道もどきで方向を絞る夜を繰り返したところで、少し違和感を覚える。単純に発生源から放射状に同心円を広げるように魔物が進行したのであればこうならないであろう、というように街や村など人がいる方向へ進行していることがわかって来た。人の軍隊が狙ったように進むほどでは無いので、勘違いの可能性が残っている段階ではある。

「それよりももう一つの報告の方が気になる。ダンジョンらしきものを発見したのであろう?」

「はい、ある岩場から魔物が出てくるのを発見したとの報告があります。昼間のうちに確認に向かわせるつもりです」

「いや、そこは我々帝国軍が向かおう!」

「え?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る