第690話 光精霊メスメレン

ヴィリアン侯爵領での魔の森の範囲に対して、一回は魔物を殲滅し終わったサラたち。

その途中で見つけたダンジョンの攻略を続けているメンバが居るが、それ以外はいったん陣地で集合する。手分けして製作していた地図も統合して清書することで、魔の森における川やダンジョンなどを含めたものが出来上がる。この後は、各ダンジョンの地図もきっと入手できるので、フェルールに対して十分なプレゼントになると期待している。


サラとティアーヌは、ダンジョン攻略メンバが返ってくるまでの間に、王級の光魔法を光精霊メスメレンに教わる。幻を見せる≪幻影≫と、人や物の姿を見えなくする≪透明化≫である。

戦争だけでなく潜入捜査など様々なところで使用できる上に、敵に悪用されると恐ろしい魔法であることも分かり、存在を認識するだけでもかなり優位に立てる魔法であった。

ミーナ、アルベール、リリアナは光魔法の先を知り、光魔法の習得意欲もあがり、中級≪光爆≫≪照明≫を早々に習得し、メスメレンと≪契約≫して≪召喚≫も習得するのであった。


そうこうしている間に、ダンジョン攻略組はだんだん成果報告してくるが、Bランク魔物と遭遇したために途中で引き返して来た報告も入ってくる。ダンジョン攻略組はCランク魔物以下が妥当である銅級以下の冒険者を向かわせたので、安全重視の指示通りである。

この領地のダンジョンには冒険者が日頃向かうことも無いようなので、魔物があふれて氾濫(スタンピード)の可能性が残っている。主に山岳地帯の攻略にまわしていた銀級以上相当の従士団メンバを、そのBランク魔物が出現したダンジョン攻略に再割り当てを行う。

また、銅級以下のメンバには未探索の他ダンジョン攻略にまわす。


サラはその間に、何度か王都に転移し、皆から回収した魔物素材の処理や売却を商会メンバに任せるのと合わせて、光精霊メスメレンの祠を、王都の本宅と開拓地それぞれに整備するように頼んでおく。出会った山頂の上に設置するための祠も発注しておく。


ダンジョン攻略で最後に残った1つは、他に比べて大きなダンジョンであり、何階層もあって最後にはAランク魔物であるレッサードラゴンが発見されたという。

銀級以上のメンバを集めて、彼らにもパーティーを組ませながら、サラの冒険パーティー6人を中心にそのダンジョンの攻略に向かう。銅級以下のメンバは最低限の数を陣に残して、魔の森の再巡回と薬草採取などの役割分担である。

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