第683話 スタンピード疑惑2
転移して来た第1騎士隊長ルーカイたちに事情を説明し、代表者だけを連れて村長宅に再訪問する。
「村長、こちらは私たちの仲間です。魔物討伐のために呼び集めました。村と魔の森の間に陣をはらせて頂きます。よろしくお願いいたします」
基本的にはこういう対応はハリーが受け持っている。相手との受けも良いので。
その上で、ハリーとティアーヌが領都に戻り、この村での状況を報告しつつ、その他の場所の状況の情報収集をさせる。
残ったサラたちは村長たちから情報収集をする。
魔の森に近い村はこの村を含めて3つらしい。
この村のまわりを覆う木の柵は壊れてしまったので、2か所ある門以外を≪石壁≫で覆ってしまう。見通しも悪くなるし日陰もできるが、今は魔物襲撃を防ぐことを優先と理解して貰う。
ここの村民で他の村に顔がつなげる者に付き合って貰いバトルホースに乗せて、残り2村に駆け付ける。各村では経緯を説明し、伝言役になる精霊を≪召喚≫でき≪石壁≫も使用できる元悪魔教団の幹部2人ずつと、それぞれの村の入口を交代で守るための元アルテーラ王国軍人4人ずつ、合計6人ずつを2村に配置させ、≪石壁≫による塀の補強を開始する。
見知らぬ者が村にたくさん居ることでの不安を解消するため、オークたちに襲われていた村でも襲撃の後片付けを手伝った後は、他2村と同様の6人を除いては、魔の森側に設営した陣に引き上げる。
領都から戻ったハリーたちと、他の2村からの情報を合わせても、確かに今回のオークとゴブリンの襲撃はスタンピードではなかったと判断する。
しかし、魔物の間引きができず増えているという事実はあるようであり、予定通り、魔の森の魔物狩りは実施することにする。
ただ、他貴族の領地で軍隊行動にも見える行動を勝手に行うことはできないため、フェルールの到着までは、≪飛翔≫やワイバーンへの騎乗による偵察で、魔物の村のありかの確認などを行う。
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