第743話 ロージアン後方地域2
もうサラたちは名前や立場を隠す必要もなくなったので、アッズーラ姉妹も含めて、城壁を突破されたときの負傷兵たちに対する治療を申し出て、重傷で諦めかけていた者たちも回復させたことで、神国メンバからいったんの信頼を確保する。
その上で、ロージアンの軍議に呼ばれたのでハリーとティアーヌを連れて参加する。
「負傷者たちの治療、また首都ダラムからの援軍移動、誠にありがとうございました」
「いえ、たいしたことでは。それよりも、ロージアンを攻めてこないのは、横を通り過ぎてダラムまでの村々を狙っているのでしょうか」
「その可能性が高いです。もうこの際ですから正直に申し上げますが、神国の兵力のほとんどは、このロージアン、首都ダラム、ガーライト王国を警戒した海岸におります。そのロージアンの戦力も先日のご支援が無ければ城壁を突破された程度であり、魔物たちにも見くびられたのでしょう。ロージアンの籠城から攻めだしてくるほどの力は無いと」
「先日、ダークエルフが言っていた首都ダラムの返還、を狙われているということでしょうか」
「はい。途中の村々で食料などを奪い補給することでダラムへ侵攻するつもりかと」
「よし!ならば、ダラムから来た我々がロージアンから打って出れば敵は崩壊するのではないか?」
「その場合、ますます統制が取れなくなり、村々への被害が増える可能性もあります」
「な!?ではどうすれば良いというのだ!」
「村々の護衛を確保してから、が理想ですが、それだけの分散配置できる戦力は無いので困っているのですよ!」
「何!?」
もともとロージアンを守っていた者たちとダラムから派遣された神聖騎士団の間で、衝突が発生する。
「喧嘩しても仕方ないでしょ。ここからダラムまでの簡単な地図を作ってください。私たちで手分けして様子を見てきます」
「様子を見るって?」
「空を飛んで見てくるので、危険は少ないし、早く分かります」
ハリーはサラにお願いして、ワイバーンのワンとロック鳥のガンも≪転移≫して貰うのと合わせて、≪飛翔≫できるメンバが手分けして確認することになった。
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