第706話 誘拐後始末2

神国への対応のあと、子供たちを人質にしていた屋敷について言及される。


「あの屋敷は、もともと没落した貴族の屋敷であったが、今はある商家が管理していた。その商家は神国とも商取引しているだけでなく、衛兵が商家に乗り込み帳簿等を検めると、裏社会ともつながりがあり犯罪にも手を染めている証拠が発見された」

「だから、神聖騎士団の裏部隊も潜伏拠点に使ったのですね」

「ドラセム伯爵のお陰で、王都の害虫である商家を一つ潰すことができる」

「良かったです」

「ひとつ相談がある。誘拐にも使用していた屋敷、犯罪組織の拠点であり討伐したそなたたちに所有権となるのだが、買い取らせて貰えないか?貴族街での風聞もあるし、戦闘騒動もあったので、周辺の屋敷の持ち主にも言い含めて再生利用したいと考えている」

「仰せの通りに」

宰相の話を断れるわけはなく、官僚の算定値で売却することになった。


路地での2人、その屋敷での5人の合計7人の遺体からは身元を示すような物は出てこなかったが、武器だけは高級品であった。足がつきにくいためであろう、使用者が多いショートソードや投擲用短剣であり、従士団のメンバにて配布する。



そうこうしていると、奴隷にした2人が証言した場所、密航船に残る裏部隊の潜伏場所に、王都から逃げ出したであろう1人が合流した。その時点では、奴隷にした2人も転移で連れて来て顔を確認させてある。

トリストフたちが監視していたところ、密航船の運航メンバは10人ほど、裏部隊っぽい者は証言通り5人ほどに見えていた。


サラは急ぎ王都に戻り、怒りに燃える従士団のメンバ、代官地護衛隊を除く数十人を≪転移≫させてくる。

上位魔法使いも大量に居て、≪召喚≫により精霊や悪魔を呼べることを踏まえると、さらに何十もの魔法の使い手を追加できることになる。

通常の局地戦レベルであれば、敵を圧倒できる戦力である。

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