第844話 海賊来襲事後3
以降は、囮の商船に海賊がかかるたびにガレー船を鹵獲して奴隷化していく。どうもガレー船はガーライト王国の私掠船メンバのみであり、帆船が伴走している場合にはアルメルス神国の神聖騎士団が搭乗しているようであった。
私掠船や神聖騎士団たちが軍隊行動ではなく小部隊による海賊行為をしている限り、サラ達にとっては少数対少数の個別撃破であり不安はない。私掠船にも極まれに中級もしくは下級の魔法使いは居たが、サラ達の脅威にはまったくならず、神聖騎士団が居た場合でも油断しなければ対応を誤ることも無かった。
ただ、来襲連絡が手間取った場合などで、海賊に魔法を使われた際の応戦で海賊船を燃やしてしまうことや、生きたまま捉えての奴隷という流れにできずに殺してしまうこともあった。
毎回、帆船のみはわざと逃がしたのだが、アルテーラ王国の領海に入ったところでアルテーラ海軍に撃沈されることが続いた。
「帆船のみだと、わざと逃がしたのがバレているのかもね」
「じゃあガレー船を逃がすか?」
「もったいないから宰相から嫌味を言われるかもしれないけど、仕方ないわね」
基本的には鹵獲したガレー船とオールを漕いでいた奴隷、その私掠船の操船技術があるガーライト王国の海賊は、コルマノン王国がサラ達から買い上げることになっていた。
弱かったコルマノン王国の海軍増強が急激にされることになり、港町ラブリニーの近くで多くのガレー船の寄港地となる訓練場を急遽整備している。
私掠船メンバとは異なり、アルメルス神国の神聖騎士団の裏部隊はもともと回復魔法など魔法も使える者が多い精鋭であり、コルマノン王国としても管理に困るとのことから、サラの暗殺を図られた以前と同様にドラセム家の従士団にて引き取るように指示をされている。もともとドラセム家の第3騎士隊が、隊長ジルベーレ・フィアーノを含めて暗殺未遂のときの神聖騎士団の裏部隊であったため、この隊士として増員することとして、代官地で他メンバと共に訓練をさせるようにした。
同様に、私掠船メンバで極まれに居た魔法使いもドラセム家の魔術師団に組み込んでいる。
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