第717話 港町ホーマ3
力が称えられ、商品にあふれる港町ホーマでは、魔道具の武器もそれなりに品揃えがあるので、融通が利きやすい片手剣などの良品を購入しておく。ただ、魔導書やスクロールなどは満足できる物は無かった。魔導書の武器も高級品は無かったことも踏まえると、国家が買い占めているという噂も本当かもしれない。
念のため精霊、特に闇精霊の祠の噂を調べてみるも、かんばしい結果は得られなった。
拠点とする屋敷も調達できたところで、本来の目的であるアルメルス神国への潜入経路を考える。
船を使った海岸からの上陸は、ガーライト王国の侵入への警戒が厳しそうであるが、陸路でも魔の森の隙間である街道は、規模が小さいと難しくは無いと思われる。さらに、その南の険しい山ではますます警戒は緩いと思われる。もちろんそれだけ強い魔物へ対応できる戦力などが求められるのであろうが、≪飛翔≫をしながら遭遇した魔物だけ対応するのであれば、問題ないと思われる。
まずサラとティアーヌが≪飛翔≫で山の近くで越境してから、国境の魔物の森の西側にて、皆を≪転移≫で呼び寄せれば良いと思われる。森の東側にガーライト王国がセントハムという最前線基地としての街があるように、森の西側にはアルメルス神国の最前線基地としてアルスターという街がある。
その街で少し情報収入してから、神国の首都であるダラムまで目指すことにする。
港町ホーマでは、約4週間の船旅で消耗した食料品などを再度補充してから、セントハムの街へ移動する。ハリーが初めて見る香辛料など食材を買い漁ることで予定より時間がかかったが、一刻を争う移動では無かったのでたまの我がままを皆があたたかい目で見ていた。
その後の移動で目立ちたくなかったので、たくまし過ぎるバトルホースをコルマノン王国から≪転移≫で連れてくることはなく、サラたち隊商とトリストフたちがその護衛という体(てい)の馬車と馬を調達にしている。
港町ホーマに対しても、商船でやって来たので、衛兵たちからも目をつけられない組合せである。
そしてセントハムの街にも無事に入ることができた。
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